秋の味覚
ハロウィーンといえば、かぼちゃ。カボチャといえば色々な種類がありますが、我が家で毎年作っているのはバターナッツという種類の長細いひょうたんのような形の種類のものです。
カトリックの国イタリアではハロウィーンは伝統的なお祭りではありません。ここ10年ほど前からスーパーや商業施設の宣伝的にハロウィーンのモチーフが使われていたり、楽しいイベントとして商店街で仮装した小さい子供にお菓子を配るぐらい感じで目にするようになりました。イタリアでは毎年2月末頃のカルニヴァーレ(カーニバル=謝肉祭)が仮装をして大騒ぎをするお祭りです。
バターナッツカボチャも実は、元々イタリア在来のカボチャではなく、アメリカで開発された品種のようです。でもなぜかイタリアではズッカ・アジアティカ(Zucca asiatica=アジアのカボチャ)と呼ばれています。我が家ではこのカボチャでリゾットにしたり、ポタージュスープにしたりします。バターナッツカボチャのリゾットにはゴルゴンゾーラチーズとナツメグをアクセントに加えます。ほのかに甘いバターナッツの味に絶妙な組み合わせだと思っています。
濃厚なお味でねっとりとした栗カボチャも美味しいですが、バターナッツは大きさが手頃で皮もむきやすく実も扱いやすいので、使い勝手が良いところが気に入っています。そう言えば以前はカボチャといえば皮がオレンジ色のタイプのものが多かったのですが、最近では日本の栗カボチャもスーパーにも並ぶようになりました。
もう一つの秋の味覚、自前で取れるものは栗です。今年は雨が少なく実が小さめですが、量的にはたくさん取れました。イガが割れて地面に落ち始めたらすぐに拾い集めてコンクリートの地面に広げ足の裏で軽く踏みつけ実を取り出します。実の平たい面にナイフで切り込みを入れ熱湯にしばらく浸してからオーブンで焼きます。その時に塩の上に並べると塩が余分な水分を吸い取ってくれるので美味しく、皮と実が剥がれやすく焼き上がります。
食べきれない程採れた時は焼いて皮を剥いた状態で冷凍保存したり、栗のペーストを作ったりします。栗も栗ご飯ならぬ栗のリゾットにしても美味しいです。日常のランチだったら、それ一品で充分満足です。和食だと栗ご飯だけだとどうしても寂しい気がして汁物を作ったり香の物が欲しかったりするので、結局イタリアンの方が手軽だったりします。
栗の実が採れ始める頃、いつもは暖炉に火を入れて新酒のノヴェッロワインと一緒に焼き栗を食べるのですが、ノヴェッロの解禁日は10月30日。今年は例年より2週間早いです。もちろんまだ暖炉に火を入れ始めてはいません。
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大橋美奈子さん経歴
演劇の勉強で欧米に留学し、欧米の料理に馴染みました。主人のジョバンニ・パンフィーノはスイスの有名ホテル学校を卒業後、レストランビジネスに入り、 高級ホテルやイタリア高級レストランのビーチェのヨーロッパの店舗で働いた後、 東京椿山荘に開業した超高級ホテルのフォーシーズンの高級イタリアンとして開業したビーチェの指導責任者としての勤務経験がある外食のプロです。
そのジョバンニ・パンフィーノと、日本で知り合い結婚し長女を授かり育てていたのですが、数年前に子供の教育と生活環境を考え、主人の故郷であるイタリア・プーリアに本格的に移住したのです。母が料理学校を主催している関係で食に興味を持ち、自ら自家農園で野菜を育て、自家製のオリーブオイルで体に優しい料理を楽しんでいます。現在はプーリアで生活をしながら、イタリアの情報発信をし、コンサルティング、輸出入ビジネスを行っております。
また、時々イタリアの食ツアーを開催しています。これから私が惚れ込んだイタリア・プーリア地方の自然を堪能する食情報をお届けします。
ブーツの形をしたイタリア半島のちょうどとがったヒールの辺りがプーリア州です。私たちが日本とプーリアの架け橋になろうとダプーリアという会社を起したのは15年前です。その頃と比べ、日本でも随分認知度が高まったプーリアですが、この数年主に欧米人のヴァカンス先として大変注目を浴びています。
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プーリア州の中心部にあるイトリアの谷(谷というより盆地という方がふさわしい)にあるこの地に東京から移り住んで6年、兼業農家的生活も板に着いて来ました。プーリアといえばイタリアの食料庫といわれる程の一大農産地でオリーヴオイル、ワイン用のブドウをはじめ多くの野菜や果物がイタリア1番の生産量を誇ります。
また、この地特有の地元でしか食べられない産物も沢山あります。プーリア料理の身上は新鮮な食材をシンプルに食す事。この地で生産されるチーズやワインもその料理と切っても切れない関係にあります。そんなプーリアの我が家の毎日の食卓に上る食べ物、飲み物たちをご紹介させていただきます。
我が家では7対3の割合ぐらいで一般的に言うところのイタリア料理(プーリアの郷土料理)と日本食、その他(私が個人的に好きなアメリカン及びアジアンテイストな創作料理)を食べています。
有限会社ダプーリア
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大橋美奈子プロフィール
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プーリア州の説明
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ダプーリア
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