オープン3ヶ月で閉業した飲食店 その原因と対策
どうも、みつばです。
今回は、うちの社長(経営者)がどれだけ行動力があるか。そしてそれがいかに稚拙な行動だったか。その出来事をお伝えしたい。
↓前回の記事:社長は行動力あるんです。
社長は、2020年のコロナ禍で新規飲食店をオープンさせた。
世間で自粛要請がかかる中、なぜ飲食店をオープンに踏み込んだのか、未だに理解できない。
社長は「これをする」と決めたら目標達成に向けて走り続ける人だ。
オープンすると決めたら、オープンするまで走り続ける。先の事は考えない。失敗するイメージは持ち合わせていない。
新規事業:テイクアウト専門店
社長は「隣の県に新規店舗をオープンさせる」と言い出した。
コロナ禍で需要が高まっていたテイクアウト 事業を始めると言う。この店舗の名前を『がんばれキッチン(仮名)』と名付けたい。
(身バレ防止の為、仮名とさせて下さい)
準備期間:3ヶ月
通常、飲食店オープンまでの準備期間は何ヶ月だろうか?
GoogleのAIでは「6ヶ月〜1年程度」と出てきた。それくらい、経営者は事業計画を練り上げて、余裕を持って立ち上げる。
そう考えると3ヶ月での開業は早い。
早すぎる。
社長「スピードが命だ。このテイクアウト事業がいつ衰退するか分からない。需要があるうちにオープンさせる」
そして3ヶ月で閉業(廃業)
一体、なんの為にオープンしたのか。
『がんばれキッチン』をオープンして、たった3ヶ月の営業で店を閉業させた。
新しく雇ったスタッフも3ヶ月で解雇。
これだけオープンに向けて急かされて、いざオープンしたと思ったらもう閉業。
さて「そんな飲食店あるわけないやろ」と、何だか特例な事案だが、なぜ『がんばれキッチン』がたった3ヶ月で閉業したのか振り返ってみた。飲食店のみならず、経営の失敗例として参考にしてほしい。
1.マーケティング不足
ろくなマーケティングではなかった。
やったプロモーションは以下の通り。
・周辺にチラシを配る
・目立つように看板やのぼり旗を設置
これだけ。
いや、これはマーケティングとは言わない。ただの広報活動だ。
そもそも社長は市場調査すらやってなかった。
改善する余地があったなら
①立地
まずオープンしたい場所のリサーチ。
『がんばれキッチン』の近くには、同業種の大手コンビニがあり、顧客のほとんどがそちらへ流れた。ほぼコンビニの隣にある立地では競合で負ける。
②商品開発
ただの惣菜弁当でも、コンセプトに沿って作ればコンビニと差別化できたはず。
例えば
・おばぁが作る自家製弁当
・栄養士が提案する30品目の美食弁当
・地域の特産〇〇弁当
etc
同業種と差別化すれば、ある程度の集客は見込めたはず。『がんばれキッチン』ではコロッケ弁当、トンカツ弁当、サバ味噌弁当など、ありがちなお弁当を置いていた。
③ターゲットの顧客層
オープンする立地は、ファミリー世帯が多いのか、単身者が多いのか、学校が近いのか、商業施設があるのか。
そういった見込み客のイメージが無さすぎた。
小規模な店ほど、具体的なペルソナ(顧客のニーズを徹底的に満たす)をイメージしなければ生き残れない。
全てにおいて、リサーチ不足だった。
2.原価が高い
飲食店だけでなく、経営者が気にする仕入れ原価。
『がんばれキッチン』ではほとんど食品メーカーから発注していた。業務用で大量に仕入れる事で安くつく食材もあるが、ほとんどこれに頼ってしまうと原価が高くつく。
激安スーパーで食材を仕入れて調理する方が原価を抑えられたのでは?
全てを手作りするのは難しいが、原価の高い食品だけでも見直す必要があると思った。
3.スタッフの育成
使えない人間はクビ
社長本人が現場に向かい、研修を行なった。
そして事務所に帰って来るなり、言った言葉が忘れられない。
社長「使える人間と、使えない人間がいる。使えないやつはクビにするか」
この人の性格からして、ろくな研修ではなかったはず。(だっていつも業務丸投げだから)
時間をかけて人材を育てようとせず、「使える」「使えない」で切り捨てる。
だからこの会社、ろくな社員がいないのか。
クセのある社員(50代後半男性)
研修は社長が中心になって指導したが、社長は現場に毎日行けない。そこで社員が1人配属された。
だがこの社員はなかなかクセのある人で、1日中ぶつぶつと文句(独り言)を言い、働くスタッフを怯えさせていた。
クセつよ社員「なんでわしがあんな所で弁当作らなあかんのじゃ。あんな所、すぐに潰れるわ」
そんな文句ばかり言う人が社員(店長)なので、必然的にお店のクオリティも落ちる。お店で大事なのは『働く人』だと思う。
結局、何人かのアルバイトは辞めてしまった。
4.新規顧客の集め方
リピーターも大事だが、新規顧客の獲得にも力を入れたい。それにはどのツールで集客するか、考える必要がある。
・インスタ、XなどのSNS利用
・ホームページの作成
・Googleビジネスの登録
・チラシ配り、ポスティング
いろいろな方法があるが、社長はまたもやチラシを撒くだけの宣伝方法だけで終わる。
ネットが苦手なのか、なぜかチラシ配りだけだった。これだけでは集客できない。ターゲットの客層にあった宣伝ツールを利用すればもう少し集客できたのでは、と思う。
振り返ってみて
オープンにかかった費用はおよそ500万。
毎月の赤字経営。
3ヶ月で閉業したのも解る。
私はこの結果を見て、社長の「お店開店ごっこのお遊び」に消えたのだな、と思った。
オープンという目標にゴールしたら終わり。
大満足。
「テイクアウト事業を失敗した」と、社長が反省していると思います?
そんな訳ない。
失敗をイメージできていない社長は、失敗は全て他人のせい。現場にいない自分は悪くない。「現場にいた従業員が上手くやらなかったから潰れたんだ」と言っていた。
トップの経営者がこれでは、誰もこの人を変える事はできない。
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