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高齢者の健康管理は家族の責任【「THE THREE HAPPINESS」読書感想文】

樺沢紫苑氏著の幸せについて書かれた本。
最近樺沢氏の色んな本を読み漁る中で、図書館においていたので手に取ってみた。
幸福論に興味があったのでページをめくると「幸福論ではありません。幸福の実用書です」との記載があり胸を撃ち抜かれた。


内容

幸福は脳内物質の切り口で着目すると下記3つに分類される。

  1. セロトニン的幸福…健康

  2. オキシトシン的幸福…つながり

  3. ドーパミン的幸福…成功

そして、優先順位は上位から順になっている。
まずは1の幸福が無いと2、3があっても意味はない。
そして、幸福には性質がある。

  • 1、2は今そこにある「BE」の幸福、3はすることで得られる「DO」の幸福

  • 幸福は結果ではなくプロセスにある=未来ではなく今にある

  • 1、2は持続する幸福、3は減る幸福

最後の3に1、2を掛け合わせることですべての幸福が手に入る!
そして、3つの脳内物質が分泌されている状態を幸福と言う。

では、それぞれの幸福を手に入れるためにはどうすればいいか?

セロトニン的幸福を手に入れるには

  • 自己洞察力を高める

自らの幸せ、健康、体調に気づくことが大切。
そのための手段として「起床瞑想(起きたら今の体調と今日の予定を考える)」「マインドフルネス朝散歩(今ここに集中して散歩する)」。後者の感想を3行ポジティブ日記に書いておくとより良い。

  • 緩急をつける

必死に頑張るばかりだと燃え尽きるので、オンとオフの収支を合わせることが大切。
そのためのコツは「休息ではなく充電と捉える」「寝る2時間前はセロトニン・オキシトシン的幸福を意識してリラックスする」「月5時間以上自然の中で過ごす」。

  • 家族の健康を守る

介護地獄になると幸福は得られない。
なるべくそうならないようにすべきことは「親と病院に行き説明を聞く(高齢者の健康管理は家族の責任なので)」「できるだけリアルで会う」「健康診断の結果を見る」「本人の「大丈夫」を信用しない」「一緒に散歩に行く」。

オキシトシン的幸福を手に入れるには

  • 孤独を解消する

孤独であることの健康リスクは喫煙に匹敵する。
コツは「友情でつながる友達より、まず共通の目的でつながる仲間を作る」「自分を中心にコミュニティを作る」「リタイアしない(認知症予防になる)」。

  • 人間関係を整える

コミュニケーション術は学ばないと知らないまま。人間関係のスキルは幸せになるスキルと同義。
コツは「家族:友人:職場の人間関係に割くリソースは5:3:2にする」「1日3回親切にする」「1日3回感謝する、される」。

  • 医者を信頼する

医者を信頼するだけでプラシーボ効果で治りやすくなる。

ドーパミン的幸福を手に入れるには

ドーパミンは光と闇の側面がある。やる気、モチベーションをあげる「自己成長物質」の前者と、もっともっとを要求する「依存性物質」の後者。
つまり、ドーパミンとうまく付き合うことが幸せになれるかの分かれ道になる!

  • 金や物に感謝する

金を使って関わるすべてのもの・人に感謝する。お金のことを考えるとドーパミンしか出ないが、もの・人を想像することでオキシトシンが出る。

  • 制限する

楽しいを感じる能力が復活する。例えば、スマホは見るだけでドーパミンが出るため、時間を制限する。おすすめは充電器を持ち歩かないこと。

  • コンフォートゾーンを出る

いつもの習慣と異なることをする。とはいえ、急に挑戦するのは難しい。なので、イメージした挑戦の10分の1の挑戦をする。

  • ギバーになる

利益を求める、自利利他的なギバーが良い。著者的には、3年間与え続けることでこちらに利が返ってくるイメージ。
コツとしては「人助けはまとめてやる」「100時間ルール(例:1ヶ月で100時間だけボランティアする、など)」「周囲からサポートを受ける」。

  • 天職を見つける

天職とは、「自己実現」と「他者貢献」が一致する仕事のこと。
仕事には3種類ある。
生活のためのライスワーク。
適職のライクワーク。
そして天職のライフワークだ。

なお、著者の場合は精神科医として社会人になったが、体調を崩してから今の発信する仕事や作家活動をしている。
天職とは「ワークスタイル」や「やること」が今と少し変わるだけで見つかることもあるらしい。

人生が変わる「お金」「遊び」「食」の習慣

  • 幸せになる「お金」の考え方とは?

一番無駄なのは貯金。なぜなら、貯金とは未来の自分を信じていないため。また、貯金をすることでドーパミンがでて「もっともっと」病になるケースも。
最も効果的なのは「自己投資」。最高のアウトプットを生む最高のノートなど。

そして、買ったモノを使うことを楽しむ。また、買うときは捨てる・片付けるを意識すること。
こんまりが提唱する「ときめくものだけに囲まれる」ようにすることで、オキシトシン的幸福が得られる。

  • 幸せになる「遊び方」とは?

1日で幸福の収支を合わせることが重要。例えば、昼はバリバリ働いたら夜は思いっきり遊ぶ、など。なお、没入できれば仕事でも趣味でも良い。
成功者はおしなべて遊びに貪欲なもの。
その理由は「エネルギーが充電されるから」「創造性・好奇心が強いから」

なお、遊ぶ時間は工夫しないと生まれない。
なので、遊びをなにかのごほうびにするのがおすすめ。
例えば、大変な仕事が終われば高級寿司に、本を書いたら海外旅行に行く、など。

また、遊ぶというのは「受動」より「能動」的娯楽がおすすめ。
前者はスキル不要で楽しめるもの、後者は目標が必要でスキルが向上するもの。
例えば、チェスや演奏、ダンス、スポーツなど。

感想

これまでアランとラッセルの幸福論を読んだことがあったが、もっと心構えとかまでだった。本書では、行動指針や具体的にどういった行動を日常に取り入れればいいかというtodoが豊富にあり、すぐに活かせる点が非常に良かった。

日常生活における感情面へのコントロールに特化したハウツー本、ノウハウ本は前著「ストレスフリー超大全」とも重複するが、本書のほうがより幸福のみに集中しているためわかりやすい。

また、〜をしたい、〜をすれば幸福になるというDOの幸福にばかり普段目が行っていることを自覚した。本来であれば、健康による幸せがもっと土台にあり、そのつぎに人間関係の幸せ、そして最後に夢だったり自己実現的な幸せを目指すのが本来の姿。

自分の人生の優先順位としても、健康第一でそのつぎが彼女や友人などの人間関係、最後に仕事という順番にしている。本書とも順番が同じだったため、裏付けしてもらって少し背中を押された気分。

刺さった3行

  • 高齢者の健康管理は家族の責任

この1行はかなりの気づきになった。将来これを忘れないことが重要だ。
今自分の両親はまだ健在だが、一緒には暮らしていないので日常生活がどうなっているかはそこまで分かっていない。

高齢者になると自分自身での判断能力が下がるから家族がそれを見てあげる必要があるというのは、そりゃそうだというのと同時に、今のままだと正直そこまでの信頼関係が築けていないとも感じた。

次の帰省でこの点は触れてどうにかアプローチしておきたい。

  • 人間関係のスキルは幸せになるスキル

嫌われる勇気でも論じられているが、人間関係が幸福に大きく寄与する。
それは日常生活を送っていても実感する。
職場での人間関係が良いと仕事もやりやすいし、友達などといい関係を築けていると心の支えにもなる。

この人間関係におけるコミュニケーション術は学ばないと知らないまま、というのは案外これまで考えてこなかった。
幸せになるスキルというのは誇張でもなくその通りだと思うので、そういった関係の本を読むのも自分のためになって面白そう。

  • 天職を見つけると「自己実現」と「他者貢献」が一致する


つぎにやること

  • 起床瞑想をして、3行ポジティブ、感謝、親切日記に入れる

  • 家族への手紙に健康面の視点も入れる

  • 人間関係のスキルについて図書館で本を見てみる

インプット大全で学んだが、1度にたくさんやろうとしても取りこぼしてしまうため、3個までにしておく。
この本に関しては一旦上記をつぎにやることとして幸福になる。
まあ今も幸福ではあるけれども。

この本は人生において何回も読み直すのが良い気がする。
幸福になるためのハウツーを知れたので、これからの人生で活かせると思うととても楽しみだ。


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