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ゆっくり朗読 「笠」2017年3月4日

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記録

3月4日
山奥を歩いて居る。ここら辺の人々は笠を被る習慣があるようだ。とても唾が広くヴェールをつけて居る。濃い紫の笠をつけた男が通り過ぎる、風に薄布を弄ばれながら。立て看板にすら笠がかかって居る。地図が酷く読みづらい。どうせあてもない旅だったと思い出し、坂を下る。

洞窟のような場所を見つける。中には一体の笠を被ったマネキン。これは罠だと何故か解る。竹の筵があり、藤が枝垂れて居る。だが入り口が底が見えぬ程深く掘ってあり近付きがたい。落ちるのもまた良しかと助走をつけ対岸へ。
洞窟の中へ行くと左手に川が流れており川底には青と紫の紫陽花がぼうと光っていた。上を見れば、夥しい数の藤、藤、藤。

恍惚りと景色を眺めながら奥へと進むと茅葺の庵があり真っ暗な空に満月が輝いていた。

詩「笠」

3月4日
山奥を歩いて居る。ここら辺の人々は笠を被る習慣があるようだ。とても唾が広くヴェールをつけて居る。濃い紫の笠をつけた男が通り過ぎる、風に薄布を弄ばれながら。立て看板にすら笠がかかって居る。地図が酷く読みづらい。どうせあてもない旅だったと思い出し、坂を下る。

洞窟のような場所を見つける。中には一体の笠を被ったマネキン。これは罠だと何故か解る。竹の筵があり、藤が枝垂れて居る。だが入り口が底が見えぬ程深く掘ってあり近付きがたい。落ちるのもまた良しかと助走をつけ対岸へ。
洞窟の中へ行くと左手に川が流れており川底には青と紫の紫陽花がぼうと光っていた。上を見れば、夥しい数の藤、藤、藤。

恍惚りと景色を眺めながら奥へと進むと茅葺の庵があり真っ暗な空に満月が輝いていた。

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