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ゆっくり朗読 「髑髏の蝶」「衰弱する小鳥」「お呪い、や」「これが私の地獄」2018年 #8

朗読動画

https://www.youtube.com/watch?v=kDgIim1tcJ4

記録

7月11日
水槽から6匹の大きな蝶が孵る。巨大な山繭蛾の夫婦から生まれた蝶はどれも青い羽根で茶色い髑髏のような模様が入っている。一番小さな蝶が私の指に止まっている。

詩「髑髏の蝶」

7月11日
水槽から6匹の大きな蝶が孵る。巨大な山繭蛾の夫婦から生まれた蝶はどれも青い羽根で茶色い髑髏のような模様が入っている。一番小さな蝶が私の指に止まっている。

記録

7月22日
小さな小烏を二匹飼っている。凄く衰弱していて、撫でるたびに毛が抜ける。小鳥たちは窓辺から外を眺めている。
米を潰して食べさせる。

詩「衰弱する小鳥」

7月22日
小さな小烏を二匹飼っている。凄く衰弱していて、撫でるたびに毛が抜ける。小鳥たちは窓辺から外を眺めている。
米を潰して食べさせる。

記録

8月7日
父親がオカルトにはまりお祓いを始める。「や」と言うひらがなには力があると力説し、壁や自分にマジックで書きなぐる。

詩「お呪い、や」

8月7日
父親がオカルトにはまりお祓いを始める。「や」と言うひらがなには力があると力説し、壁や自分にマジックで書きなぐる。

記録

9月9日
私は中学生、美術の女教師と付き合っている。彼女は始めは何でも理解してあげるというが徐々に違和感を感じるようになる。彼女に禁書の1ページを見せる。悍ましい地獄の絵だ。彼女はそれを拒絶する。実は今まで私に触れてみたかっただけで合わせていただけで彼女は何も理解していなかったと知る。

詩「これが私の地獄」

9月9日
私は美術の女教師と付き合っている。
私は中学に入ってから美術部に入った。顧問の先生が彼女だった。
彼女は私に「貴女の事何でも理解してあげるわ」と言って沢山話を聞いてくれた。長く付き合っていくうち話せば話すほど違和感をかんじるようになった。彼女は私の事を理解なんてしていない。
私は彼女と図書館に行き、禁書の一ページを見せた。
悍ましい地獄の絵だ。この絵を見ると私は少し癒される。
彼女が本当に私を理解してくれるならこの絵を好きになってくれるはずだ。
しかし、彼女は絵を拒絶した。
やっぱり、今まで私に触れてみたかったから話を合わせていただけで彼女は何も理解していなかったんだ。
彼女は私の感性を手元に置いておきたいだけなのだ。

その日、私は教室に火を放った。

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