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ゆっくり朗読 「天才は一足飛びする」「ブル先輩が来た」2016年 #6

朗読動画

記録

10月25日
現実空間で立体化する「積み木をする女の子」の3dを製作している教室にいる。一人の女学生のCADはメチャクチャな繋ぎ方をしている所もあるが綺麗に動作している。人がやっているのを見て自分で考え作ったようだ。彼女が他の生徒たちにやり方を教えている。彼女は触りながら覚えるといいと言う。この教室の先生は鋭く暗い目の黒髪の紳士だ。私と先生でウロウロしている。先生は天才が嫌いだ。彼女も嫌いだ。先生にどうして天才が嫌いなの?と聞くと先生の弟が天才であらゆる依存を解く注射を開発したからだという。私もその注射をもらう「メンソール」と書いてある。先生は「天才は一足飛びする。一足飛びは良くない。興味のあることしかやらないから自由がないんだ。それでも興味のあることができてしまうから天才なんだ。天才はできてしまうことがわかるんだ、僕にはわからない。」と言った。

詩「天才は一足飛びする」

10月25日
今日は立体化の授業だ。課題は「積み木をする女の子」、パソコン室で3Dを作成し現実に出力する。一人の女学生のCADを見ると滅茶苦茶なつなぎ方をしているが綺麗に現実で動作している。周りの人がやっているのを見て自分で考えて作ったようだ。彼女が他の生徒たちにどうやるの?と聞かれてやり方を教えているが専門用語を知らないので「ここを押してこう」とか「いい感じで」の様に皆理解できない。彼女はひとしきり説明して触りながら覚えるのがいいよと言った。
この授業の講師は黒髪で背が高い眼光の鋭い紳士だ。私と講師は教室をうろうろしている。彼は天才が嫌いだ。もちろんこの女学生も嫌いだ。
彼にどうして天才が嫌いなの?と聞くと彼の弟が天才だったからだそうだ。弟はあらゆる依存を解く注射を開発したらしい。私にその注射を渡した注射器にメンソールと言うラベルが張ってある。
講師は歩きながら「天才は一足飛びする。一足飛びは良くない。興味のあることしかやらないから自由がないんだ。それでも興味のあることができてしまうから天才なんだ。天才はできてしまうことがわかるんだ、僕にはわからない。」と言った。

記録

10月25日
我が家にブル先輩達が住み着いた。キッチンを迷路に変え冷蔵庫で眠る。ブル先輩とは毛皮を剥がれた大型犬くらいの牛のことだ。人語を話し口が悪く体をブルりと震わすと肉塊を落とす。三匹のブル先輩達としばらく過ごしていた。ある日、今日はすき焼きにしようと言うとブル先輩達は居心地が悪いと出て言ってしまった。だが来年も来るらしい。最後に肉塊を渡してくれた。牛肉だそうだ。シチューにして食べるとヘビクイワシの肉だった。

詩「ブル先輩が来た」

10月25日
我が家にブル先輩が住み着いた。
ブル先輩は毛皮を剥がされた大型犬くらいの牛で人の言葉を話す。
とっても口が悪くて、体をブルブル震わし肉塊を落とす。
ブル先輩はキッチンを迷路に変えて冷蔵庫で眠る。
私は三匹のブル先輩たちと暮らしていた。
ある日、今日はすき焼きにしようと言うとブル先輩たちは
「居心地が悪い!」と言って出て行ってしまった。
最後に「来年も来る!」と言って肉塊を渡してくれた。牛肉だと言っていた。
シチューにして食べるとそれはヘビクイワシの肉だった。

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