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ゆっくり夢日記 「烏人」2019年1月10日

朗読動画

https://www.youtube.com/watch?v=EOr23BdYp4E

記録

1月10日
駅からマンションまで帰る途中、川の中洲に烏人がいた。烏人は人間の首に烏の羽と足が付いている。何かブツブツと恨み言を言っている。よく見ると友人だ。彼も烏人になってしまったのかと思いながらエントランスに入りオートロックを開けると廊下に獅子人間がつがいでいた。花をめかした鼠と話している雄の獅子人間は私に気づくと「人間は人間は力加減がわからん」と言いながら私の顎の下を撫でた。毛が太くて少し痛い。だが彼が手を引くと顎がついていってしまう。何とも言えず心地よいのだ。もっと撫でて欲しくてたまらない。彼に導かれるまま階段を登る。温い毛皮に包まれ大きな舌で舐められる。

詩「烏人」

1月10日
駅からマンションまで帰る途中、川の中州に烏人がいた。
烏人は人間の首に烏の羽と足が付いている。
何かブツブツと恨み言を言っている。最近この辺りでも増えてきたななどと考えながら烏人を通り過ぎようとする。
すれ違いざまよく見ると烏人は友人だった。
彼も烏人になってしまったのか。
世間が悪いのか何もかも欲を叶えられなくなった人間はいずれ烏人になる。幸せを見つけられない事こそが不幸だ。
烏人になると消えてしまうまでその場で恨み言を吐き続ける。
人は人に相応しい姿になる。世界中の人間が今までとは違う姿に変化していっている。
私は何人になるんだろうか?
一人友人を失った悲しみに暮れながら、エントランスに入りオートロックを開けると廊下には番の獅子人間がいた。
獅子人間は見た目は普通の獅子と変わらないが人語を解す。ゆったりと横たわった獅子人間は花でめかした鼠と話している。
雄の獅子人間が私に気づき近づいてきた。
「人間は、人間は力加減がわからん」
と言いながら私の顎の下を撫でた。
毛が太くて少し痛い。だが彼が撫でるのをやめようと手を引こうとすると顎が付いて行ってしまう。
何とも言えず心地よいのだ。
もっと撫でて欲しくてたまらない。
彼に導かれるままに階段をのぼる。
温い毛皮に包まれ大きな舌で舐められる。
あぁ、もう食われてしまってもいい。

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