20世名人ダービー
5月28日から29日の2日間にわたって、倉敷市芸文館(岡山県倉敷市)にて繰り広げられた第80期名人戦第5局は、渡辺明名人が挑戦者の斎藤慎太郎八段に勝利し、4勝1敗の結果で防衛した。これによって渡辺名人は名人位を連続3期で保持。これは名人獲得期数歴代7位で佐藤天彦九段と並ぶ快挙だ(6位は谷川浩司17世名人で通算5期。これより上は全員が永世名人となる)。
名人戦は朝日新聞社、毎日新聞社が共同で主催し、大和証券グループが協賛する棋戦。C級2組、C級1組、B級2組、B級1組、A級からなる順位戦を勝ち抜き、その最上位リーグであるA級順位戦の優勝者が時の名人に挑戦できるという、獲得に最もハードルが高く、最も歴史があり、最も格式があるタイトルである。通算5期獲得することで永世称号を獲得でき、通算3期獲得している渡辺明名人と佐藤天彦九段は、今もっとも永世名人に近いと言えるだろう。
名人位が特定の家元が名乗るものでなく、実力制になったのは、故・木村義雄14世名人(8期獲得)のことからである。そこから永世名人の系譜は、故・大山康晴15世名人(18期獲得)、中原誠16世名人(15期獲得)、そして先日現役のまま襲位することを発表した谷川浩司17世名人(5期獲得)と続く。
谷川17世名人以降はまだ襲位していない森内俊之九段(18世名人有資格者)、羽生善治九段(19世名人有資格者)と続く。2003年から2016年はこの森内九段と羽生九段のどちらかが名人位を保持し続けるいわゆる「羽生森内時代」であり、森内九段が通算8期、羽生九段が通算9期名人位を獲得した。ここに風穴を開けたのが、佐藤天彦九段である。佐藤天九段は、第74期名人戦において羽生善治当時名人を破って名人位に就くと、第75期名人戦で稲葉陽八段の挑戦を跳ね除け防衛。つづく第76期名人戦では史上最多の6人によるプレーオフを勝ち抜いた羽生善治当時竜王の挑戦からも名人位を防衛し、充実の連続3期名人位という快挙を成し遂げ、安定政権を樹立する。がしかし、第77期名人戦において豊島将之当時二冠が4勝0敗という圧倒的なスコアによって悲願の名人位を獲得。第78期名人戦は脅威のA級順位戦全勝で挑戦権を手にした渡辺明当時三冠が豊島将之当時名人から名人位をもぎ取り悲願の戴冠を果たす。
乱世を迎えたかに見えた名人戦だが、続く79期、そして今期80期名人戦は渡辺明名人が斎藤慎太郎八段の驚異の2期連続挑戦を跳ね除け、現在は渡辺名人が安定政権を樹立しつつあると言えるだろう。
ここで注目されるのが「果たして20世名人の資格を獲得するのは誰か」である。もちろん、現在名人位を保持しており、残るところ2期名人位を防衛すれば良い渡辺明名人が常識的に考えて順当だ。しかし、開幕を目前に控えた第81期順位戦A級には、あの藤井聡太竜王が在籍している。仮に藤井聡竜王がA級順位戦を優勝し挑戦権を獲得した場合、対渡辺名人で12勝2敗(勝率.85)を誇る藤井聡竜王が名人位を獲得する可能性は高いのではないか、と考えるのも道理である。そして、佐藤天彦九段も第80期A級順位戦を3位の成績で終えるなど、調子を取り戻しつつあり、来期挑戦者として名乗りを上げたとしてもまったく不思議ではない。まとめると、
本命◎ 藤井聡太竜王
強いよね。でも、オイラ負けないよ。
対抗◯ 渡辺明名人
物理的に近い。全然あるしむしろ当然では?
大穴▲ 佐藤天彦九段
物理的には2番目に近い。組ませて買うのは◎
といったところだろうか。世間的にはこういう見方をするのが大勢を占めるのかもしれない。
なんて本気で思ってるんですか??????
本命◎ 佐藤天彦実力制第13代名人
当然の結果ですね
対抗◯ 佐藤天彦九段
くっ!佐藤天彦実力制第13代名人に負けた…
大穴▲ 佐藤天彦公爵
私が没落したヨコフドゥルリ家を再興させる