【論文紹介】曼荼羅の持つ集中と癒しの効果
はじめに
前回ご紹介した「曼荼羅を利用した一点集中法」
このカードは私の医学部受験に大きな威力を発揮したわけですが、
ふと思いました。
「この方法って何か科学的に実証されてないのかな!?」
今回は、そんな疑問から探してみた
曼荼羅の持つ癒しと集中に関する論文をご紹介します。
論文紹介
今回ご紹介するのは
2024年の1月に発表された最新の論文
Zhang, Meng-Qin, et al. "Does mandala art improve psychological well-being in patients? a systematic review." Journal of Integrative and Complementary Medicine 30.1 (2024): 25-36.
です。
簡単に和訳すると、
"曼荼羅アートセラピーは入院患者さんのWell-Beingに効果があるの?"
この論文は"systematic review"という種類のものなんですが、
これは色々な研究で行われた実証実験を統合することを目的としていて
エビデンスレベルが高いことで知られています。
エビデンスがきちんとしているため、
この種類の論文をもとに医療ガイドラインなどが作成されたりしています。
まあ、一言で言えば、
「科学的に正しい可能性がそこそこ高い!」
ということです。
(絶対なんてないよね。)
本文の内容
対象とする論文
本研究では査読付きの(専門家の認証が得られた)
11本の論文、計405人の参加者を対象とした研究が調査されました。
そのうち6本がRCTです。
(RCT: ランダム化比較試験。エビデンスレベルの高い検証方法です。)
対象とする地域
アメリカ、韓国、イラン、イスラエル、タイなど世界各国です。
研究デザイン
入院患者さんに曼荼羅アートセラピーのセッションが行われました。
曼荼羅の塗り絵をしたり、曼荼羅を描いてみたり。
個々の研究にもよりますが、
1日で終わらせるものもあれば8週間続けて行う研究もあったみたいです。
研究結果
それぞれの研究で得られた成果は以下の通りです(一部抜粋)。
慢性的な全身の筋肉・骨格の痛みを抱える患者の、痛み・ストレス・抑うつや、唾液中のコルチゾール値などを改善する
乳がん患者の感情認識を促すほか、治療による有害事象も軽減する
COVID-19入院患者の不安を軽減する
静脈穿刺を受ける小児において生理的なストレス行動の減少と心理的不安の軽減を認める
化学療法を受けている少年・少女のコミュニケーションを促進させ、将来に対する希望を理解するためのツールとなる可能性が認められる
幅広いですね!!
結論
これらの内容をまとめると、
「まだまだ研究が必要な領域であることを前提とした上で、
曼荼羅アートセラピーが患者さんの不安や痛みを和らげ、ストレスを軽減させる効果が示唆される!」
ということだそうです。
「曼荼羅の持つ癒しと集中の力」
大きいものがあるかもしれません。
おまけ(それ以外にも・・・)
もちろん、効果はそれだけじゃなくて、
他にも以下のような曼荼羅アートセラピーの効能が紹介されていました。
救急医と外来看護師のストレスを軽減する
精神科入院患者さんの将来へ期待する気持ちを高める
介護者のストレスを軽減する
大学生や看護学生のテストに対する不安やストレスを軽減する
(青少年が)自身の心理的な問題を発見し、集中力を高め、心理的安全性を得る
など。
そして、なぜそんなことが起きるかというと(メカニズム)、
曼荼羅を描くとき、人は過去の否定的な経験を忘れ、現在の感情に没頭し、自分自身を人生の中心に置くおことができる
からというのが理由の1つなのだそう。
曼荼羅を書くだけでこんなにも色々な効果があるなんてすごいですね。
おわりに
今回の記事では「曼荼羅アートセラピー」という
曼荼羅を描くことによる「癒しと集中の効果」をお伝えしました。
なかなか効果がありそうで、
やっぱり医学部受験の時に感じた自分の体験は、
そこまで的外れなものではないんだと感じました。
皆さんも、ぜひ、曼荼羅を始めてみては?
いきなり曼荼羅を描くというのはハードルが高いと思いますが、
美しい曼荼羅の絵を日常生活の一部に取り入れるところから始める。
なんていうのがオススメ!
これまでよりもすっきりした気持ちで、
日々の仕事や勉強に打ち込めるようになれるかもしれません。
もしこの記事を読んで曼荼羅アートに興味を持ったら
私たちのサイトにも遊びに来てくださいね。
https://focusmandala.shop/
では、ばいばーい👋