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月夜の狭間
人はいろいろな面を持っている
明るかったり、暗かったり、泣き虫だったり、強がりだったり
けれども、わかりやすく分類したがる
陰キャだとか、陽キャだとか、なんとか
一枚の紙に書ける文字数くらいに
偽りのわたしは、あなたには真実のわたし
氷山の一角だなんて、御伽話かのように
そんな人間じゃないよ
聞こえないように囁く精一杯の抵抗
なぜ見ようとしないのか
なぜ聞こうとしないのか
なぜその裏側を否定するのか
みんな持っている陰陽の面影
感じないのか、ひた隠しにするのか、ただ一辺を求めるのか
それも含めて成り立つ人間だというのに
傷ついてきた人間しか気づかない
立ち止まらないほど些細な看板は
今にも倒れそうで泣いている
気付かないような人間が罵倒する
無知を恥じることさえ感じられずに
そこにあると気付けないほどに
二度目ましてがこわいのはそういう理由かとふと、気づく
偽りではない自分を受け入れてくれる人間かなんて
一度では見極められない
度量の深さが見えればいいのに
物差しのバロメータで教えてくれたらいいのに
近くにいたって
わかるか分からないかなんて、分からないけれども
考えてみて、感じてみて、
理解できなくても、受け止めて
わけがわからなくても、否定しないで
その言葉をいう前に、立ち止まって
あなたにもあるでしょう
涙に暮れた日が
痛くてしょうがない時が
溢れる感情をどしようもない夜が
それを嘘だといわれる心は傷つかないはずがない
ほんとだよ、全部、
全部、わたしなんだよ
だから月は隠れる
シャッターチャンスを通り過ぎたら
闇夜に沈む月になる
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