夏はなぜ
夏はなぜ眠い
冬はそりゃあ眠い
春は転寝
秋は夜ふかし
春に転寝してしまうのは、暖かくて日差しが優しいから
秋に夜更かししてしまうのは夜の空気が美味しいから
冬が当たり前に眠いのは布団に守られているから
夏は暑いし空気が美味しいともあまり思わない。
それでも寝すぎてしまうのは何のせいだろう。
子供の頃に過ごした夏休みのせいかもしれない。
ひと月とはんぶん。
ランドセルを腕に通すことも、あの長い坂道を登ることもしないで住み慣れた家で、扇風機の音といいとも!の掛け声だけで過ごすあの夢の期間。
大人になるといつしか、当たり前に夏休みが記憶から消されてしまう。
少し早起きして通ったラジオ体操も、日焼けを気にせず友達と自販機の前で待ち合わせして行った学校のプールも。
習い事も夕方ではなく、昼間に行われて、なんだか1日が長く感じるあの空気。
あの夏休みを思い出したい、感じたいから眠りに付きやすくなるのかもしれない。
夏休みに急に降る雨が大好きだった。
祖父と2人で外に出て、ビチャビチャになりながら雨のプールに飛び込むんだ。
夏休みの朝ごはんは決まって卵焼きに焼きおにぎり。
お昼ご飯は焼き飯とコーンスープ。
おやつに大学芋。
クーラーガンガンでついでに家のシャッターも閉めて、キンキンに部屋を冷やして布団で昼寝。
夕方前に目が覚めて、なんとなく宿題をこなす日々。
夏の眠気は子供の頃の夏休みのせい。
25歳を迎える歳。
長い休みはそうない。
だから夏は子供の頃の夏休みを思い出すんだろう。
あの頃の思い出を片手に休日を過ごすせいで眠気に襲われる。自然の汗の匂いとスイカの匂いが混ざってくる。
夏はなぜ眠い
春はなぜ眠い
冬はなぜ眠い
秋はなぜ眠い
今日はなぜ眠い
いつもなぜ眠い
今日は特別に眠い
明日も眠い
眠いは生なので当然です。
意味はない。
生なので。
ちなみに私はやっと面接を受けました。
やっぱりその時も眠かった。
憧れの古本屋でした。
やっぱり眠かった。
大学入試レベルのテストがありました。
それでも眠かった。
面接もいろんな事を聞かれました。
当然眠かった。
受かっていて欲しいです。採用であって欲しいです。
今日も夜は眠かった。
おやすみなさい。