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「高嶺の花」

こんばんは。
再視聴した「高嶺の花」第一話の感想。

自転車を必死に、こいでいる背中。
水たまりをよけることなく進む…。
そのたびに、「ビチャ」という水音が聞こえ
なんともいえない不愉快な感覚が
耳に入ってくる。

その音が、1回、2回、3回と聞こえるたびに
すこしずつ、不安に駆られていく。
この女性は、「なぜ、こんなにも急いでいるのだろうか…?」
再視聴した「高嶺の花」の冒頭のシーンは、石原さとみさんが演じる
「もも」が、急いで自転車を走らせて行くところから始まります。
追われているのか?
何から逃げているのか?
気になって、興味をそそられます。

公園、噴水、拭きあげられて水が落ちていく様を見ながら、その先には、
笑顔で迎え入れるかのような恋人の表情。
同じように笑いかける「もも」。
しかし、視界を遮るように女性の姿が現れたと思ったら、恋人であろう彼の表情が曇る。「もも」も、手を振る手をゆっくりおろしていく…。
「ああ、私でなない」と思ったのでしょうか?
困惑した表情、固まる二人の男女におびえる妊婦。
視聴している私には、この3人の関係性がよく分かりません。
間髪おかずに、警察官が現れます。
その場から立ち去るように言われたのは、「もも」でした。
接近禁止命令のでている彼女。
彼女の現在の立場とそこにいた
残りの二人の男女との関係性がわかる映像です。

しかし、シフォンのワンピースを着ている彼女が
つきまとい…。??
なぜ?
そのあとすぐに、理由がわかる回想シーンが入ります。

狂気の季節は、なぜか夏。

その状況から一変して、自転車屋の映像が映ります。
のんびりとした時間が流れる中、少女が話しかけます。
コスプレの少女を見ても動じない店主。
そこに全身ずぶ濡れ、泥だらけの「もも」が壊れた自転車を押しながら
「直せる?」
淡々と答えていく店主。
ここでも動じない店主。
店主の性格の一端を表しているのかもしれません。
ゆっくりとした時間に、ももが現れることによって
時間が早くなっていくように感じます。

バタバタとした、それでいて、にぎやかな掛け合いの中で
ちいさく鈴の音が聞こえてくるのです。
鈴の音を聞くと店主は自然に天井のほうに視線を動かします。
天井には、長く部屋を這うようにつけられている紐があります。
その先には何が待っているのでしょうか。
意味ありげな鈴の音。
その意味は、この後すぐにわかります。

自転車を修理に出した「もも」。
自宅では、妹が朝食を準備しながら最近の様子を話してきます。
心を込めて用意した朝食に興味のなさそうな「もも」の姿と
献身的に支えようとしている妹の対比があります。
しかし、
妹には、どうしても「もも」に元気になってほしい理由があるのです。

第1話での放送内で、ももは華道の家元の長女であること。
義理の母親と妹がいること。
家元と弟子としての対面のほうが多い「もも」と父親の関係。
継母とは、含みを持った会話をしていることから、
この家族関係は、どこかゆがみがあるように映ります。


自転車屋の店主「ぷー」さん。
母親の葬式が始まります。
よく聞いておいてほしいのは、
その葬式に参列した人たちから発した言葉。
それを注意深く聞いていると
彼が今まで置かれていた立場が分かります。

母と一人っ子の暮らし。
20年以上の介護。
現在の年齢が、39歳ならば、19歳から母の介護を
彼がしていたことになります。
当時、この言葉があったのだろうかわかりませんが、ヤングケアラー。
あの鈴の意味は、介護で、母親が出すサインを
見逃さないための鈴だったのです。

当然、店の仕事をしながらも下の世話であったり、
食事であったりとなんどとなく、一階と二階の行き来をしていたでしょう。

長時間の外出もできないと推測されます。
いわゆる青春時代という
十代二十代は介護の時間で自宅にほぼ居続けたのだと思われます。

彼が話すより、葬儀に集まった人たちの会話で
彼の抱えていたものを知ることができます。
流れるような会話の中で、どこか心ここにあらずという表情の
ぷぅさんが、印象的です。

葬式も終わり自宅に帰って
ひとり、かつて寝ていた母親のベットを見つめています。

彼は、空のベットを見つめながら何を思っているのでしょうか。

安堵、それとも寂しさ。
その家にある意味、長年、縛られていたようなぷぅさんですが、
自由となったとき、ひとりになったとき
何を思うのでしょうか?
ちょっと、そのシーンは、考えさせられます。

ここで、ぷーさん、ももどちらも家族のいびつさが表現されています。
標準的な家族というのは現実にはないのでしょうが、

この時点で、ふたりには、欠けたものと渇きのようなものを感じます。
まったく関わりのなかったふたりがこれから惹かれあっていくのではないかと予測させられるふりになっています。

前も見たときも、第一話ですごく気になって
早く続きが見たい!!
となった私。

本来なら、惹かれあうこともというより、出会うこともなかったはずの
二人が出会ってしまったら、
どうなるの?
どうなるんだった?
ぷーさんが惹かれていくのは分かるけど、
どこを好きなっていったんだった?
となり最終話までいっきに見てしまいました。

これから、家元の策略に驚き、妹や継母の思惑
華道の華々しい世界をみつつ
ぷーさんの日常にももが入り込むことで変わっていく未来。

私は、千葉雄大さん演じる宇都宮龍一役がすきで当時楽しみに見ていたことを思い出しました。
普段のイメージとは違った役で、なにかのインタビューで当時は役作りを苦労したとか。
そんなところも楽しみで、見ていた記憶を思い出しました。









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ことみ
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