風の時代、大黒柱の存在は
我が家に大黒柱は存在しない。
子供の頃、「お父さんは一家の大黒柱」と先生が話していたものの、私にはまったくピンとこなかった。
当時住んでいた家はパネル工法でそもそも大黒柱のない家だった。
「大黒柱」という言葉に五重塔の心柱を想像した記憶。
「一家の大黒柱」という言葉は今でも広く使われるワケだが、その意味においてもウチに大黒柱は存在しない。
誰かが支えるのではなく、それぞれが支え合う共存共栄。
家計も食費も思い立った側が出す。家の営繕も気がついたら気がついた方が自由に行って費用も自分持ち。
いわば、2×4工法の一家というところ。
いわば木造従来工法の家が地の時代、風の時代はまさに応力分散させる新工法というところでしょうか。
どちらが良いかといった話ではなく、こうしたあり方もあるということ。
建築物としての家の工法が時代によって進化してゆくとともに、家庭のあり方もまた時代とともに変化してゆく、伝統を守るもよし、先進を取り入れるのも良し。どちらも認められる多様性、それが風の時代のあり方でしょう。