ニューヨークで福島ピースウォーク
今年も3.11、福島第一原発メルトダウン事故を想いながらニューヨークにあるインディアン・ポイント原発まで平和行進に参加させてもらった。
メトロノース鉄道ピークスキル駅前で集まって、そこから2マイル(3.2キロ)歩いてニューヨークのインディアンポイント原子力発電所まで歩く。長年ピースウォークをやっている日本山妙法寺の純さんとマサチューセッツのピースパゴダのトビーお上人を先頭に、下は9歳、16歳の若い子たちから上は何歳か知らないけど上の方たち、猫も混じって太鼓を叩きながら歩く。頭上には鷲のつがいがウォークの始まりと終わりに現れた。
ニューヨークシティの郊外に原発があるのをご存知だろうか?マンハッタンのミッドタウンから58キロしか離れていないニューヨーク州ブキャナンというところにあって、調べてみるとちょこちょこ細かい事故を起こしている。2016年には大量のトリチウムがハドソン川に流出したと公表された。近隣の住民は長年激しく廃炉を要求していたのだが、ようやく去年閉鎖された。しかしそれは住民の健康を案じてという訳ではなく採算が取れなくなったからだそう。はっきり言ってむかつくのだがまあそれはそれとして、クローズが決まったからと言ってただちに安全というわけではないというのは日本人の皆さんはよくご存知だと思う(知ってるよね?)。
それと福島の悲劇に祈念して今年も行進したのだが、やはり原発近くの住宅から「もう原発は閉鎖されたぜ!うるさい音出すな!」とどなり声が響いた。その後にも、おそらくは同じ人物かその家族と思われる男性が改造車みたいな車でブイブイアクセルを吹かせて私たちが集まってるすぐ横に来て、陰気な嫌がらせをする。
純さんも私たちもこんな人たちには慣れているので放って置いたが、はっきり言ってあんたの車の方がうるさいし排気ガスで迷惑だぜ。
でも久しぶりに訪れた郊外の広い空、大きな川、固い石だらけの島と先住民の方たちに名付けられた(マンハッタン)この土地の岩や崖はどこまでも美しく、つまらない嫌がらせなんて全く気にならなかった。
長年インディアンポイント原発の反対活動を続けているマリリンの言葉が胸に残る。
ウクライナの地に平和をもたらさなければならない。あそこにはチェルノブイリ原発があって、もし原発が爆発したらウクライナもロシアも難民も軍も関係なく、全て終わる。ウクライナの地は平和にならなければならない。全てはひとつ。
ラマポー・ルナぺ部族のアウルさん(フクロウさん)が言う。福島は「あそこ」じゃなくて「ここ」、全ては「私たち」なんだ。破壊されているのは「私たち」なんだ。
違う方向に爆進していく世の中でそんな想いをますます強くする1日でした。