目標7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに[40歳からのSDGs]
目標7は、エネルギー問題。人が生きるためにはエネルギーが欠かせませんし、人がエネルギーを生むこともあります。これを持続可能なものすることは、食料、地球環境など、他のSDGsの目標と相互に関係していきます。現在の声明をまとめました。
ポイント
・新たな経済と雇用の機会を通じた再生可能エネルギーの利用拡大に注力することは、より持続可能で包摂的なコミュニティーをつくり、気候変動をはじめとする環境問題に対するレジリエンスを高めるうえで欠かせません。
・およそ30億人がクリーンな調理法を利用できず、危険なレベルの空気感染にさらされています。
・電力を利用できない10億人弱におよぶ、その50%はサハラ以南アフリカで暮らしている。
・課題解決には、クリーン燃料とクリーン技術へのアクセスを拡大するとともに建物や輸送、産業おける最終用途への再生可能エネルギーの統合をさらに前進させる必要がある。
・官民のエネルギー投資も増額する必要があり、世界のエネルギー・システムを転換するための規制枠組みや革新的ビジネスモデルに注力することも必要がある。
気になるポイント
・クリーンなエネルギーだけで世界人類は豊かに暮らすためのエネルギーとして賄えるのか。
・日本政府がCO2削減のための対策として原子力発電所の推進を進めることへの危惧、そして新しいエネルギーシステムの形が見えていないこと。
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国連の声明を以下に記載します。
「目標7 手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する。」
エネルギーは、世界がいま直面している主な課題と機会のほとんどすべてで中心的な位置を占めています。雇用であれ、安全保障であれ、気候変動であれ、食料生産であれ、所得の増大であれ、すべての人がエネルギーを利用可能にすることは必須です。この目標はその他の持続可能な開発目標とも相互に結び付いているため、その達成に向けた取り組みは特に重要となります。エネルギーへの普遍的アクセス、エネルギー効率の改善、新たな経済と雇用の機会に通じた再生可能エネルギーの利用拡大に注力することは、より持続可能で包摂的なコミュニティーをつくり、気候変動をはじめとする環境問題に対するレジリエンスを高めるうえで欠かせません。
現時点で、およそ30億人がクリーンな調理法を利用できず、危険なレベルの空気感染にさらされています。また、電力を利用できない人々も10億人弱に上りますが、その50%はサハラ以南アフリカで暮らしています。幸いなことに、過去10年間には水力、太陽光、風力による再生可能電力の利用について前進が見られており、GDP1単位当たりエネルギー使用量も改善しています。
しかし、課題の解決には程遠いため、クリーン燃料とクリーン技術へのアクセスを拡大するとともに、建物や輸送、産業における最終用途への再生可能エネルギーの統合をさらに前進させる必要があります。官民のエネルギー投資も増額する必要があるほか、世界のエネルギー・システムを転換するための規制枠組みや革新的ビジネスモデルにさらに注力することも必要です。
事実と数字
・世界人口の13%は、依然として現代的電力を利用できません。
・30億人が薪、石炭、木炭、または動物の排せつ物を調理や暖房に用いています。
・エネルギーは気候変動を助長する最大の要素であり、全世界の温室効果ガス排出量の約60%を占めています。
・世帯エネルギーとしての可燃燃料使用による屋内空気感染により、2012年には430万人が命を失っていますが、女性と女児はその10人に6人を占めています。
・2015年、最終エネルギー消費に再生可能エネルギーが占める割合は、17.5%に達しました。
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169のターゲットも記載します。
7.1 2030年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスへの普遍的アクセスを確保する。
7.2 2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。
7.3 2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。
7.a 2030年までに、再生可能エネルギー、エネルギー効率及び先進的かつ環境負荷の低い化石燃料技術などのクリーンエネルギーの研究及び技術へのアクセスを促進するための国際協力を強化し、エネルギー関連インフラとクリーンエネルギー技術への投資を促進する。
7.b 2030年までに、各々の支援プログラムに沿って開発途上国、特に後開発途上国及び小島嶼開発途上国、内陸開発途上国のすべての人々に現代的で持続可能なエネルギーサービスを供給できるよう、インフラ拡大と技術向上を行う。