イギリス 中学受験ー学校選択の考察 其の1
イギリスはイングランドでは、中高一貫が多いです。十代という多感な時期、かつ、将来に影響を大きく及ぼす時期、かつ、高校編入はかなり狭き門ですので、中学でいい学校に入れたいと思う親は多い理由です。小学校から私立に入れる親もいますが、小学校時代くらい、子供らしく(この定義は難しいですが、将来を考えず今を楽しく、ということかと思います)過ごしてほしいと思う親は、やはり、多いです。
ここで、子供の将来を考える親は、
どの学校が一番自分の子供に適しているか、を考えるとともに、学業重視の学校(私立&選抜制公立)出身者が経済的に安定した生活を送るという長い過去を元にした統計を気にしつつ、学業をもとに、次のポイントを勘案します。
1.学業重視の環境は、子供の好奇心をさらに掻き立てるか?
2.学業の競争社会についていけるタフさがあるか?
3.早いペースの学習速度についていけるか?
となります。学業という面だけでまずは考える。というのも、それが一番わかりやすい指標だからですね。中高で受ける全国統一試験の結果がよければよいほど、学校としての成功と見られます。この結果を学校ごとにまとめると、トップ100校のうち、私立が85校ほどを占めるということです。
(子供には、成果ではなく、過程、伸びを褒めて、というのに!(笑))
ですが、なんと、個別で見ると2014年には、公立高校出身者のほうが大学に入るために受ける全国統一試験、A Levelを見ると、公立のほうが実は出来がよいということです。全国学校ランキングでは、何%の生徒がある特定のレベル以上とっているか、が、キーとなることが多いので、公立のように、広いレベルの生徒を受け入れるところは、当然、生徒数の何%がいいスコアをとったかという値は落ちるわけです。
ですが、そのレベル差のある中、得点別に生徒を公立と私立に分けた場合、公立のほうが、ある一定以上の点数を取る人数は、公立だというわけです。
もちろん、全体の7%以下の生徒を私立が受け持っているわけですから、統計の見方(標本数の差)を考えれば、やはり私立のほうが、高得点を取る確率は高いです。が、それが、対価に見合うか、というところは、イギリスの高額な私立校費用を鑑みて考える必要がある家庭は多いのではないでしょうか?
(この比較を毎年追っていくと、昔と今でどれほど公立がよくなっているか、がわかりますが、その統計は見つけられませんでした。)
今現在、医者や、裁判官などの専門職には、私立出身者が多いといいますが、それは、以前の公立学校の体制では、そうなっていた、ということであって、これからもそうであるとは、あながち言えない状況であるということです。
ちなみに、私立では素行の悪い生徒や、成績の悪い生徒は、退学してもらうので、点数が低い人は一気に減ります。また、これには、選抜制公立は、公立に入っているようです。
さらに最近のKings Collage of London (KCL) と University Collage London(UCL)のリサーチでは、
KCL
選抜制公立に入ろうが入るまいが、生徒の学業達成に大きな影響は与えていない。遺伝子によってそれは決まる。(このサイトの動画での説明はかなり詳しいです)
UCL
選抜制公立に入った生徒の子供の精神的衛生にメリットはない。
という内容が、おりしも、2018年に双方発表されています。
もちろん、成績の良い公立の近辺は、家の価値があがるため、経済的に優位な家族がその学校に入れるという結果になってはいますが、経済的優位だから成績がよいのか、というところは、また別の話だと思われます。
私立、選抜制公立、公立、そして、いい評判の公立の近所へ転居。どのコストパフォーマンスが一番一家にとって高いか。また、私立であれば、その私立の大義名分に惑わされず、具体的に何をどう行っているのか、万が一、自分の子供がスランプに陥った際、どのようなフォローがあるのか、等々考えることは多いかと思います。
また、学校選びのポイントについては追って書いていこうと思います。