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TOEICで940点を取るまでの勉強法

夕方、今日はnoteに何を書こうかなあと思っていたら、長男(大学2年生)がトントンと私の部屋のドアをノックした。

「あなたさ、TOEICの公式問題集持ってなかったっけ?」

今、大学の授業はオンラインの配信か、ZOOMの授業なので毎日家にいるのだ。今はバイト先も閉まったままだし(バイト代は保証されているという恵まれた職場!)、将来のことを考え今こそまじめに勉強をしようと思っているらしい。

「やっとか!」

と思った。

長男の大学は入るときに全員TOEICを受けさせられた(今は普通なのかな?)。点数は大学平均よりは上くらいだったが、そのときに、とりあえず早いうちにTOEICの点数上げておきたいと言ってたので、いろいろとおススメの教材を買ったのだ。だが、それ以来教材は1年以上眠ったまま、埃をかぶっていた。


私は30歳を過ぎてから、独学で940点までいったので、受験期も含めこれまでも英語の勉強法についてアドバイスをしているのだが、まあ、あんまり聞いてもらえなかった。人それぞれ、勉強法にも合う合わないがあるからしょうがない。

ただ、今はすごく学習環境が整っていて、ツールもいっぱいある分、逆に何をやったらいいか迷う人も多いんじゃないかと思う。選択肢が多い分選べないんじゃないかと。

なので、ただの一個人の体験談だけれど、長男に改めて伝える上でも、私がやっていたことを書いておこうと思う。そして、いつもとちょっと毛色が違う内容で、UPするのにドキドキしちゃうけど。


TOEICを受けようと思ったきっかけ

TOEICを受けようと思ったきっかけは、次男が生まれて半年後くらいに始めた人材紹介会社のパートで、毎日企業からの求人と、応募者の履歴書を突き合わせていたことだった。多くの企業の求人に、TOEIC 730点以上がのぞましいと書かれていた。一方で、応募者の履歴書ではTOEIC 高得点の人はあまりいなかった。

そのとき私は何の資格も持っていなかったし、その後ちゃんと再就職をしようと思っていたので、とりあえずTOEICの勉強をして、受けてみようと思った。そのとき、大学時代からの知人でTOEICが満点という人を思い出した。

久しぶりに連絡を取り「どうやったら900点以上とれますか?」と勉強のしかたを訊ねた。以降、いろいろ相談をしてアドバイスをもらいながら勉強をした。その人は当時、TOEFLの専門学校の講師をしていて、その後本も出した人だ。そんな人に図々しく訊ねたのだが、かなり丁寧に教えてくれた。なぜなら、アドバイスをしても、本当にそれをやる人はごくわずかしかいないから、と。

そのときのメールのやりとりが残っていたら、相当貴重な情報だと思うのだけど、もう残っていないので記憶を頼りに思い出して書いてみる。自分なりのやり方も混じっているし、当たり前に言われていることばかりかもしれないけれど。


何よりもまず、発音を

まず最初に『UDA式30音トレーニング』をいう本を1か月くらい繰り返した。というのは、TOEIC満点のその知人から強く言われたからだ。発音は何より一番先にやるべきものだ。間違った発音のままいくら音読をしても、間違った英語の音が身体に溜まっていくだけで逆効果だ。正しい音を出せれば、その音は聞き取れる。言葉の意味はわからなくても、音は聞き取れる。TOEICのような反射的に答えなくてはいけないテストでは、重要な要素だ、というようなことを。

この発音は本当にやってよかったし、これから英語を勉強しようと思っているすべての人に強く勧めたい。今は発音の教材もたくさん出ているので、評判がいいものはどれでもいいと思うけど、とにかくまず最初は発音を!その後の学習の質と効果がまったく変わってしまうし、何より、TOEICに関係なく、映画やドラマを見るのがもっと楽しくなるから!


文法問題集をつぶす

次に、今の自分のレベルに合わせたTOEIC向けの文法問題集を、出来ない問題がなくなるまでやった。通勤の往復の電車の中で。自分が間違える問題は必ず傾向がある。それさえ覚えてしまえば確実に点数はあがる。ただ、頭で覚えるのでは解くときに時間がかかる。繰り返して身体で覚えることで、反射的、直感的に答えられるようになる。TOEICはとにかくスピードが大事だから。


ひたすら音読をする

英語学習の中心は、音読だと思う。音読が、英語を身体的に覚えるために一番大事だ。そのためにもまず発音を磨いておく必要があるのは上記の通り。教材は公式問題集とか問題集の文章とか、自分が内容に興味を持てれば何でもいいと思うのだけど、私は最初NHKラジオのビジネス英語の本を使った。

で、大事なことは音読をするときのやり方、順序だ。

1.最初に日本語訳を読む。
その英文に何が書かれているかを把握する。英語と日本語を一文ずつつきあわせて訳すのではなく、その文章全体にどんなことが書かれているかの文脈を把握する。

2.書かれていることを把握したら、英文を音読する。
同じ文章を20回以上(できれば50回と言われたが、私はそんなに根性ないので20回にした)。テキストに正の字を書いていって、20回読んだら次の文章に行く。そうやって1冊終わらせる。

3.音読とは別で、英語の音声をひたすら聞く。
こちらも20回以上(できれば50回)。これは音読とペースを合わせなくていい。ただ20回聞けばいい。大事なのは、先に日本語を読んでおくということ。最初に内容がわかっているから、その英語が何について話しているかはわかっている。そして発音のトレーニングをしてあるから、音もだいたい聞き取れる。だから聴くだけでいい。これは移動のときとか、家事をしながらとか、ながら時間を見つけて聴く。余裕があればシャドウイングをする。


1~3を、教材1冊分終わったら、同じことを今度は1本の映画でやる。
シナリオとDVDを買う。最初に日本語訳を読む。英語の音読を20回する。字幕なしで英語音声のみで映画を20回観る。1日で映画まるまる1本を観れないことももちろん多々ある。そういうときは、10分だけ、30分だけと、できる範囲で。とにかく20回、完走する。

これだけやれば、英語が身体に染みわたるから、あとはどんな勉強をしても身になっていくという勉強法。でも普通は同じ映画を20回観るのは、かなりつらい。飽きるから。ちなみに私は『アメリカン・ビューティー』でやったけど、この映画は飽きなかった。観れば見るほど、読めば読むほど好きになった。映画の登場人物と同じタイミングでセリフを言えるようになると、どんどん楽しくなってくる。

とにかく英語を学習するときに大事なのは、訳すことではないということだ。その話の内容を先に知っておいて、それを英語で何度も読み、何度も聴くということだ。それだけ。


試験当日のコツ

当日は、点数をあげたいと思うほど、力が入ってしまうもの。特にリスニングは後戻りして考えることができないので、一つわからなかったりすると、その後の問題を集中して聴けなくてパニックになり、ずるずると態勢が崩れてしまうことがある。それはあまりにももったいなさすぎる。

まずは直感を大事に答えて、一問一問、今の問題に集中する。わからないときは、間違えてもしょうがないと開き直る。そういうときこそ、音読が染み込んだ身体が、答えを教えてくれると信じて、答えを選ぶ。

そして。リスニングだけで結構疲れるのに、そのあとにさらに長いリーディングを終えなくてはいけない。リーディングは根気がいる。私は何度受けても、途中で問題の多さにうんざりし、帰りたくなる。なので気分転換のために途中でトイレに行かせてもらったことが何度もある(今はどうかわからないけど、前は行かせてくれてました)。

そこでふーっと気分転換をして、長い試験時間を乗り切る。長いと言っても2時間だけど、問題数が多くて時間に余裕がないから、ずっと集中してなきゃいけなくて、かなりしんどい。トイレに行くとその分、時間はロスするけど、この気分転換はまた問題に向かうのに有効だった。なので、最終手段として、トイレがある!と覚えておいて。

あ、でもスマホとか持ってたら、わからない問題調べることができてしまうから、もはやトイレもダメなのかな? でも、TOEICってとにかく時間に対して問題数の割合が多いから、トイレでカンニングしたとても大して点数に影響がないような気もする。そのあたりどういう見解で、どういう風に管理しているんだろう?(ここは保留)


実際のスコアの推移

と、ここまで偉そうに書いたけれど、実際のスコアの推移を見てみると、勉強をした後に最初の試験を受けたので、私のやった勉強法がすごく伸びるとも言い切れないのが悲しいところ。あくまでも参考意見ということで(^^;

2003年1月26日 L470 R405 875
2003年3月23日 L495 R435 925
2003年5月25日 L495 R435 930

2004年9月19日 L470 R450 920

2005年9月25日 L495 R435 930
2005年11月27日 L490 R415 905 

2006年3月26日 L495 R440 935

2008年3月23日 L495 R420 915

2014年3月16日 L490 R450 940
2014年5月25日 L455 R445 900


勉強を始めたのが、最初に受ける3か月くらい前から。最初の試験を受ける直前に転職をして、印刷会社でテクニカルライターとして働き始めた。上に書いたような音読中心の勉強法をしていたのは最初の1年くらい。

その後は試験前に文法問題集と公式問題集をやっていた。受験の間が開いているのは、また転職をして、英語をまったく使わなくなったので勉強の意欲が下がってしまったから。

最後に受けたのは、それまでリスニングがアメリカ英語だけだったのが、米・英・豪・加の4つの国の英語になった後だ。アメリカ英語のみでリスニングの勉強をしてきた身としては、この変更はかなりとまどった。同じ英語と言っても、まったく違って聞こえるので調子が狂った。

なので、音読教材にするのは、その4つの国の英語が入っている教材がいいと思う。その他のやり方は、問題形式が変わって多少難しくなったと言われる今でも、太刀打ちできると思う。小手先のテクニックではないから。

あと、自分の周りの900点以上の人に聞くと、950点はなかなか超えられないという声が多かった。950点以上、990点満点の域に行くには、もっと別の対策が必要だという。私はそこまで高い山に登るのは断念したので、今日は900点の山を目指す人向けの学習法を書いてみた。


その他のおすすめ教材

今一番おすすめなのはこのシリーズだ。これをさっき長男にも渡した。

今、シリーズで8冊くらい?と、たくさん出ているけど、まずは一番基本のから。

「私は大学生です」
「彼女は大学生ですか?」
「彼らは大学生ではないのですか?」

といった中学生レベルの短文を瞬時に英語で答えるというトレーニングなのだが、意外に瞬時にポンポンと言えないものが多くて愕然とする。どうしても頭の中で訳してしまうので、時間がかかるのだ。

ポイントは、頭の中で訳そうとせず、「日本語で言っている意味が、英語のかたまりで出てくるようにトレーニングする」ことだ。詳しくは本に書かれているので、そちらを参考に。これはTOEICを受けなくても、英語を話せるようになりたいという人はぜひやってみて!


最後に

私は資格至上主義ではないし、もっと大事な勉強もいっぱいあると思っている。TOEICの勉強だけしてもしょうがないよね、という人も知っているしその意見もわかる。

でも一方で、こつこつ勉強を重ねて、自分が変化する喜びを味わっている人もたくさん知っているし、それは尊いことだと思っている。何か目標を決めて、それに向けて自分で日々こつこつ積み上げていくことは、基本的にはいいことだと思っている。

とくに、先が見えなくてゆらぎがちな時期には、そういう毎日の習慣ができると、気持ちが安定することに一役買ってくれる。試験というのは期日があって結果が見えやすいので、目標管理をしやすくていいと思う。なにより、TOEICには「不合格」がない。たんに「スコア」が出るだけなので、試験に落ちて落ち込むという負の経験をしなくてすむのもいい。

ということで、長男の勉強が続くことを祈りつつ、これから挑戦してみよう!という人を応援しています。急いで走り書きしたので、わかりにくいところなどありましたら、お気軽にコメントください。補足しますね。

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大前みどり
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