自分の理想の講座を企画しました。「哲学対話ファシリテーターのための探究コース」
私が哲学対話を主催し始めたのは2019年、4年前のことになります。2009年に独立してから、企業や地域、学校においてワールドカフェやOST、フューチャーサーチ、その他様々な対話やワークショップの場を重ねてきましたが、「対話の深まり」について課題を抱えていました。
「対話をしましょう」と言っても誰もがすぐ対話ができるわけでもなく、「よく聴いて、問いかけましょう」と言っても、同じくすぐに誰もができるようになるわけではありません。「対話の場に参加をしながら、参加した人が自然に人の話に耳を傾け、自然に問いかける姿勢が身につくにはどうしたらいいのだろうか?」といつも考えていました。
そんなときふと「哲学対話はどうだろうか?」と思いました。テーマについて深めていく対話に、何かヒントがあるんじゃないかと思ったのです。そこですぐにいくつかの哲学対話に参加してみたところ、このやり方を繰り返せば、参加した人が聴くことや問うことに慣れていけるんじゃないかと手ごたえを感じたのです。
そこで見よう見まねで哲学対話を実施してみたものの、他の対話手法と比べて進行役の関りの度合いが大きく、どのように関わるとより深まるのか、判断に迷ってばかりでした。そこで、いくつもの養成講座に参加して不明な点を質問したり、様々な哲学対話の場に参加して進行役がどのように場に関わっているかを観察しました。並行して自分でも主催を続け、これまで100回以上進行役をやってきました。
その実践のなかで新たにぶつかったのが、「熟練した人は、何を考えて、どう判断しているのか?」という問いでした。事前の準備やデザインが重要なワークショップと違い、哲学対話の進行では「その場力」とでもいうような、場の流れに応じた柔軟でありながらタフな思考力が求められます。
これはもう、ベテランの頭の中を覗かせてもらうしかない!と思い、「こういう講座があったらぜひ受講したい!」と自分が思う講座を企画しました。それが「哲学対話ファシリテーターのための探究コース」です。
このコース、何がすごいかというと、経験が豊富な実践者の「頭の中」を言語化して説明してもらえるところにあります。
どういうことかというと、このコースでは実際に哲学対話を行うのですが、時間を区切ってその対話についての対話「メタダイアローグ」をしていきます。メタダイアローグではファシリテーターが何を見て、聴き、感じ、考え、判断し、発言しているのか?そして、なぜそうするのか?を参加者からの質問によって詳細に言語化していくのです。
それによって、どのような意図をもって進行をしているかだけでなく、長年の経験のなかで培われた暗黙知で行っていることも、問われることで言語化されます。ここがポイントです。ベテランと呼ばれる方々の暗黙知を、対話を通して共に学べるのです。そのため参加者には、ゲストから「教えてもらう」というスタンスではなく、対話をしながら共に探究するスタンスが求められます。
この探究コース、5月に1期がスタートし、毎回充実した学びを重ねてきました。ライブ参加の方は欠席してもアーカイブ視聴ができますし、時間的に参加が難しい方もアーカイブコースがあります。当日は思いっきり参加者として哲学対話を楽しみ、あとでアーカイブを見ながら進行役が何をどうしていたかじっくり見返すということもできます。
そんな「哲学対話ファシリテーターのための探究コース」、10月から第2期がスタートします。詳しい内容を知りたいという方は、無料体験説明会がありますので、気軽に覗きに来てください。
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9/8(金)or 9/9(土)無料体験説明会を実施します!
9/10(日)11:00~受付開始です!