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ずーっと手放せない絵本

このトップの画像は、その昔、家族でしながわ水族館に行ったときに撮った写真です。イルカが好きな人はたくさんいると思いますが、私もなぜかイルカが本当に大好きです。

そんな私にとって、この絵本は、とても大切な存在です。


葉祥明さんの絵本はどれも大好きですが、とりわけこの本の青い海のイラストは、見ていると神経がすーっと落ち着いていきます。

「はらぺこあおむし」や「ぐりとぐら」など、子どもが小さいときに持っていた絵本はどれも手放してきたけれど、葉祥明さんの絵本は、何冊かですが、自分用にずっと手元に置いています。おそらくこれからも、ずーっと。

絵本というのは、ただ目で「見る」「読む」というよりは、声に出して「読み上げる」もの、という気がしています。

ただ目で読むよりも、自分で声に出して読むほうが、何倍も、何十倍も、心に染み入ってくる。

ページをめくるときの紙の音。
それぞれのページの絵。
読み上げる声。
加えて、
手で感じる絵本の重さ、指で感じる紙の質感。

それらによって味わえる独特の世界が、絵本にはあるような気がしています。そしてそれは、ある種のセルフヒーリングになっているのではないかと。

よかったら、「イルカの星」から一部、音読してみてください。
いつも話しているスピードよりも、ゆっくりと。
読み上げている自分の声を、聴いて、噛みしめるように。

もぐろう、ふかく。
じぶんの こころの おくふかく。

しずけさと やすらぎの 中で、
ほんとうの じぶんを 見つけるんだ。

そして、よろこびなさい、
いま 生きている ってことを。
もとめている ものは、 じぶんの こころが、
いちばん しっている。

うれしい ことも、
ほんとうに やりたい ことも、
じぶんが いちばん しっている。

こころの こえに 
耳を かたむけさえ すれば。


もっと もっと ふかく もぐろう。

ほんとうに やりたいことを すれば、
だれだって、よろこびを 
かんじる ことができる。

じぶんが しあわせに なれば、
みんなにも やさしくなり、
よろこびを わけて あげたくなる。

そうすると、じぶんだけが よろこぶより
もっと もっと、
うれしいって ことが わかる。

それが、ほんとうの しあわせ なんだ。


もうひとつおすすめなのが、長田弘さんの詩、いせひでこさんの絵、のこちらの絵本。


これ、声に出して読むと、いつも泣いちゃうんですよね。長田さんの言葉は、頭ではなくて心に、語りかけてくれているからでしょうか。

一部、ご紹介します。

窓の向こう、道の向こうに、
何が見えますか。
雨の雫をいっぱいに溜めたクモの巣を
見たことがありますか。
「うつくしい」と、
あなたがためらわず言えるものは何ですか。
世界という言葉で、
まずおもいえがく風景はどんな風景ですか。
問いと答えと、
いまあなたにとって必要なのはどっちですか。
あなたは言葉を信じていますか。


絵本と自分が、協同して創り上げる奥深い世界。
こんな雨の日は、静かにページを開いてみるのにちょうどいいかもしれません。




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