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『ヘルプ商店街』 #毎週ショートショートnote【楽々編】

「あ、そろそろ洗剤が切れそうなんだった」

そう溢すと、ソファで寛いでいた夫が顎でTVを示して

「じゃヘルプ商店街に行く?」

と応えるや否やコントローラーでTVにヘルプ商店街を映し出す。

画面には本物の商店街がリアルに映し出されており、私と夫のアバターがゲームのキャラクターのようにアーケードの前に立っていた。

夫の隣に座り、私もコントローラーを握ると目当ての店に入る。


「洗剤と頭痛薬と…」

口に出しながら私は籠に商品を入れていく。

「新発売のレモン酎ハイ売ってんじゃん!」
「お酒類は酒屋さんの方が品揃え豊富だよ」
「それもそうか」
「お菓子類はこっちの方が安いよ」

画面上でさえ夫は、うろちょろと動き回ってちっとも役に立たない。籠の重たさを感じないだけましではあるけど。

「この後、百均とパン屋も寄るからね」
「じゃ俺はその間、酒屋でも寄るかな」
「もぉ!」

そう怒りながらも笑っていられるのは買った商品をマリオ便がすぐに自宅に届けてくれるからだ。


 一作目はドアを開けたらヘルプ商店街だったので、お次はTV付けたらゲーム風ヘルプ商店街にしてみました。ここ数年で宅配サービスがかなり浸透したので、買い物方法も進化させてみよう! ってね。

買い物の何が大変かってぇと荷物の重さ! そして、欲しい商品を求めて店内を歩き回る大変さ! かといってネットでポチっとな! は買った感覚がなくて買いすぎちゃいそうだから、実際に手に取る感覚で買い物出来たら楽しいかな? という折衷案。(VRでもいいけど、身体は動かすから疲れちゃいそうだし、せっかくなら家族で協力しながら買い物したいなあ、と。コントローラー握ってない人も画面は一緒に見られるから。)

 仕組みとしては商店街の店内に冷蔵庫の中身が見えるようなカメラを設置させて、店内の様子をストリートビューのように映し出しアームがついた自動運転(マリオ)カートが商品を籠に入れて購入し、それをお届けするようなシステムで想像しました。(マリオならきっと抜かりなく集金してくれそうなのでね。)(そしてあの音楽をBGMとして聴きながら買い物できたら楽しそうだから♪)

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