『宝くじ魔法学校』 #毎週ショートショートnote【チャンス編】
個人的な事情でこれまでの仕事を辞め、あらゆる求人に応募するものの全滅で心が折れていた私に、ハロワの職員が勧めてくれたのが『魔法学校』だった。
「魔法学校?」
「職業訓練学校のようなものです」
「へえ」
魔法というワードに興味がわく。
やるだけやってみるか
失うものなどもう何もないのだから
数ヵ月後
「どうしたの?」
道端にしゃがみ込み、側溝を覗き込んで途方に暮れる少女に声をかけた。
「鍵を落としてしまって…」
「大変!私が何とかするから、少し目を瞑っててくれる?」
少女が目を閉じたことを確認し、右手に持っていた杖を一振りすると左手にポン!と鍵が飛び乗った。
「どうぞ」
と渡すと少女は驚きながらも喜び、何度も頭を下げて私の元から立ち去った。
交通事故に遭った私は歩くために杖が欠かせなくなった。でもだからこそ私は魔法学校に入校できた。
入校の必須条件は
杖を使用している者に限る
おかげで私は、宝くじに当たったような好運な力を手に入れられたのだ。
あけましておめでとうございます!
新年一発目の『毎週ショートショートnote』を無事に書き上げられてほっとしています。
お題は『宝くじ魔法学校』でしたが…実は私、ファンタジーものを書くのが一番苦手なんです……ファンタジーとなると「これ矛盾してない?」などと深く考えすぎてわからなくなっちゃうんですよね。
だから今回は私自身が杖ユーザー(折り畳み式だけどね!)で「この杖🪄で魔法をかけられたらいいのにな~!」と普段から考えていることを生かしてみました。なので「宝くじ」は、かなり強引にねじ込んでます……
実際に落とし物をして困ってる学生さんを見かけて「私、杖持ってるから任せて!」と意気揚々と杖を取り出したものの、何の役にも立たず、結局泥だらけになりながら素手で掴んで拾った、というポンコツエピソードがもとになってます(笑)後になって「ただ折り畳み式の杖を自慢したかっただけの通りすがりのおばさんやん……」と謎の恥ずかしさに襲われるという……私の能力不足でふがいない! でも拾えて良かった!
そしてもう一作書けそうだったら書きます!
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