暮らすように旅する時代がきた
もう20~30年前になるが、学生時代含め30歳前後くらいまでは、
毎年夏などに比較的長期(と言っても長くて10日間くらい)の休暇を取って海外(主にヨーロッパ)に行き、ユースホステルやB&Bを泊まり歩くような貧乏旅行をしていた。
当時は仕事が馬鹿みたいに忙しく、休日出勤&毎日タクシーで帰るような日々。そんな風に年に1回くらいは「リセット」しないと、自分が持たない感じだった。
旅先では仕事を一切忘れ、ただの私に戻る。その感覚を思い出したかった。
ユースホステルでは色んな人と一緒になるが、ノルウェーのどこか片田舎の町で同室になったアメリカ人の女の子はとても印象的だった。
彼女は大学院生で私より少し若かったが、そこに1か月以上滞在して論文を書いているという。(おかげでそのユースホステルの主のようになっていた)
私はそれを普通のことのようにやっている彼女を見て「…なんて、カッコいいんだろう!」と思った。
最近の福岡では韓国人の比較的若い旅行者をよく見かける。
皆、一見すると日本人の若者と区別がつかない。白や黒のモノクロのシンプルなカジュアルウェアにスニーカー。
スマホ片手に何か調べながらくっついて楽しそうに話す。写真や動画をその場でシェアする。(インスタ映えはやっぱり大事なんだろうな)
旅先だからと肩ひじ張らず、普通に買い物し、普通にカフェでダベる若者たち。まるで生活者のようだ。
きっと、「観光客」のイメージは今後多様化してくるだろう。
日本にも「暮らすように旅する」時代がようやくやってきたのかもしれないと思う。
実は、「多拠点生活」を夢見る私自身も、いま、比較的近い海外や田舎町でワーケーションを試みつつある。少し長期で滞在しながら、オンラインで仕事も普通にするので、まさに「暮らすように旅する」、「旅するように暮らす」スタイル。
当然、観光要素だけでなく、wi-fiや自炊設備、周辺の生活環境も大事になってくる。だから、試しに色んなエリアに泊まってみる。
2月の終わりに韓国の済州島に8日間滞在した。
韓国語はまだ初心者だが、翻訳アプリとバス乗継案内付き地図アプリの助けを借りつつ、何とか一人でも支障なく住むことができた。
滞在中、空港以外で日本人に会うことは一度も無く、現地の人に交じり地元の食堂でチゲやククスを食べ、市場で食材を買って自炊し、毎日沢山散歩し、韓国語にどっぷり浸かって生活した。
すると、地元の人々の日常生活が見えてきて、会話が生まれ、出会いや交流もある。
これは「観光」だけでは味わえない醍醐味で、私はそれが好きなんだろうなと思う。
話を日本のインバウンドに戻そう。
これまでの、団体バスで短時間で効率的に観光地を周遊(襲来)し免税店で爆買いしあっという間に去っていく…、といったステレオタイプなインバウンド客のイメージは、今後はもっと多様化し分かりにくくなっていくと思う。
経済が成熟すればするほど、長期滞在型、生活文化体験型、現地交流型の機会への関心が高まり、今後は、観光客なのか留学生なのか、長期出張者なのか住人なのか、一見すると分かりにくい形で、暮らすように旅する(旅するように暮らす)人が増えてくるだろう。
日本でも、特に「若い」世代やIT系業界を中心に、場所や時間に縛られずに働くスタイルが拡がりつつある。
そんな人たちが、世界中でミツバチのように町から町へ花粉を運び、どこか停滞し硬直化した世界を活性化してくれるように感じて、私は大いに希望を持っている。
そして、私自身もミツバチになりたいと思っている。:-)
※写真はチェジュ島・ハルラ山(世界遺産)。ヨンシル登山口から1時間ほど登ったところからの眺め。
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