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先ずは3ヶ月 できないことができるまでの流れ

筋力トレーニングを例にすると、はじめの1〜2週間は「神経系の改善」といって、能からの指令が筋肉に伝わりやすくなる時期で、おもしろいように重量を上げることができます。結果も出て新しいことにチャレンジしていること自体が楽しい時期。

しかしここから3ヶ月までは停滞期。筋力も筋肉量もなかなか増えない。当初の伸び率と比較してしまうとモチベーション低下。ここでやめてしまうひとが多い。一喜一憂しない、過度な期待はしないことが大切。やるべきことを粛々とコツコツと。

3ヶ月を過ぎてくるとフォームもメンタルも安定し、ウォーミングアップの精度や食事や休養など細かなことにも目を向ける余裕が出てくる。トレーニングの頻度や時間などがルーティン化され、自分のやっていることに自信を持ち始めます。ここまでくると「義務(やらなければならない)」から「欲求(やりたい・やらないと気がすまない)」に変わっています。さらに、自分がやってきたことを大切にできるので簡単に暴飲暴食などしなくなります。これまでの頑張りを失ってしまうことに恐怖すら覚えます。


競泳のトレーニングの例で言うと、「キックの持久力を高めたい」という目的に対して、

50m*10本 1分サイクル 目標50秒

という、どこにでもあるようなペーストレーニングを先ず1回やってみたとします。10本のストーリーはこんな感じ↓

1本目 48秒で疲れなし。
2本目 
49秒でラスト10mは疲れあり。心拍数が急に上がる感じあり。
3本目 
なんとか49秒でキープしたが後半25mは疲れあり。太ももの前が局所的に疲れてくる。
4本目 
52秒で前半からすでに疲れあり。回復が追いついていない。
5〜8本目 
どんどん遅くなり58秒までタイム落ちて集中力切れる。
9本目 
サイクルアウト。

では次回からこのメニューをどのようにアレンジすれば良いか。今回のトレーニングが効果的であるための条件は「心拍数160の維持」「ラスト12.5mで少し乳酸が出る程度にとどめる」の2つ。その目安として目標タイムを50秒としています。

疲労の蓄積が原因で、前半早々に目標クリアならず。明らかにオーバーレベルなメニューだということがわかります。そこで、サイクルを1分10秒に増やして、回復できる時間を長くします。それでも条件を超えてしまうようであれば、途中からさらにサイクルを長くしても⭕️ 大切なのは心拍数160のキープです。180まで上げてしまうと回復が追いつかず次の本数に疲れを持ち越します(ラスト2本ぐらいは180まで上げるのもあり)。

負荷は「距離」「本数」「サイクル」「心拍数」などによって決まります。必要に応じてこれらの変数を柔軟に変えていきましょう。50mを25mに減らしても⭕️ その代わりトータル時間は確保したので本数は20本にするなど調節します。

こんな感じでアレンジしながら一つのメニューを3ヶ月続けてみましょう。どこにでもあるシンプルで平凡なメニューの方が比較・検証しやすく良いです。私がモチベーションの目安にしているのは、「50mのペーストレーニングで平均タイムが1秒速くなると、100mレースで1秒速くなる」。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。


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