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book-go-around #015 神奈川県:須藤 光さん(30代)

book-go-aroundは本を買ってる人に本を買うことや本をコレクションすることの楽しみを語ってもらうflotsambooksのインタビュー記事です。
今度あなたにもインタビューさせてください。

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#015 神奈川県:須藤 光さん(30代)

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元々はデザインやインテリアが好きで、それらの本を見る為に代官山に以前あった「ハックネット」に行き、偶然手にしたRyan McGinleyの写真集を購入したのがきっかけです。
ちょうどその頃、結婚して二人暮らしを始めて、部屋の全てを自分の好みにする事は出来ないなぁと悩んでいた時期だったので、写真集なら本棚の中で完結出来るし、物としての魅力もあり徐々に惹かれていきました。
初めはライアンの本を探しましたが、Moonmilkより前のものは既にプレミアが付いて手が出せず…、だけど他の写真も見たかったので、手軽に入手出来たVICE等の雑誌を集めて記事を切り抜きしまとめていました。それと平行して関わりのある周辺の人達を調べていってflotsam booksさんやBOOK OF DAYSさん等のオンライン書店を見ていくようになり、様々な写真集を見るようになりました。
余談ですが、写真集を見始める前は、無印良品等の新製品をチェックするような人だったので、初めて小林さんに会った時に「VICEっぽく無いですね。」と言われたのは良い思い出として記憶に残っています(笑)
自分には無いから憧れの部分が大きいのだと思います。写真集は間接的に知ったり体感出来るものだと思うので。

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コレクションと呼べるほど所有していないのですが、好きな作家の本は継続して購入するようにしています。同年代から下の世代の方のを主に買っています。

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オンライン上に無くても諦めないようにしています。地方在住なのでオンライン書店での購入が多いのですが、そこで見つけられなくても実店舗のある書店を巡ったり、問い合わせをして見つけられる事があります。
去年は、復刻当初に試し読みしてスルーして、気付いた頃に無くなっていた牛腸茂雄の「見慣れた街の中で」を、取り扱いのあった書店に一つ一つ問い合わせして、新潟にある書店で発見し、最後の一冊だった物を譲って頂きました。そこで新たなご縁も出来ますし、探す過程も楽しんでいます。

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1.Maxwell AndersonSee You Soon

2011年のPlace Mでの個展の際に購入。
男女の出会いから別れまでという普遍的な物語である事や、ページにあらかじめ匂いを付けていたり、途中に和紙のページを挟めて視覚以外を刺激する事などで、写真集の魅力を簡潔に表していて、読む楽しさを教えてくれた本です。

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2. 山谷佑介「Doors」

2018年の代官山フォトフェアでのドラムパフォーマンス後に作られた手製本。
ドラムを叩きながらセルフポートレートを撮る「Doors」は、パフォーマンスから派生するアウトプットが、セルフポートレート、フォトグラム、即興の手製本と多岐にわたるので、評価が難しいと思うのですが僕は好きです。過去のインタビューから、山谷さんにとって選択する事の重要度は高いと思っているのですが、この本はそれを良い意味で放棄していて、その即興的なところが、その場の熱がこもっているように感じられて良いです。

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3.Ryan McGinleySun and Health

日本での初個展の時にflotsam booksさんで購入し、来日した際にサインを頂いた思い入れのある写真集。
2005年のロードトリップの写真で纏められています。ロードトリップのシリーズは、その後どんどん作りこまれた写真になっていきますが、この頃は旅をしている感じや、作りこまれながらもスナップショットっぽい自然さがあって好きです。その後の写真集では回顧する纏め方なので、1年という短い期間なのが、より親密さが出ていて良いのかもしれないですね。

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写真集を買い始めてから、展示も見に行くようになり、展示を理由に他県や、一度だけ国外まで旅行する事もありました。ギャラリーではプリントを購入するようにもなり、家に迎えてじっくり向き合っています。自然な流れかもしれないですが、本を集め始める前は想像もしていなかった事なので楽しみの幅が広がったのが単純に嬉しいです。

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基本的には、自分の好きなもの、惹かれるものを信じて買うのが良いと思います。
個人的な経験では、僕は写真文化に触れるのが遅かったので、写真や映像に対しての見方が凝り固まっていて、いまだに写真の良さをすぐに判断する事が出来ません。なので、他の方の薦める本をチェックする事で視野が広がったり、固定された見方が覆ったりする事があり、それにより自分の好きの引き出しが増える事があります。写真集は、毎年ベストブックの発表がありますし、SNSなどで発信している方もいるので、たまにはお薦めを見るのも良いと思います。

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雑誌IMAを創刊号から定期購読しています。このブログを見て読んだ小林美香さんの「写真を〈読む〉視点」は参考になりました。

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沢山あります。だけど、図書館や財のある人のようには集められないので、無理なく自分のペースで、と思っています。

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日常の中で気兼ねなく読めるところですね。
図書館で読んだり、借りてくる事もありますが、どちらにしてもちょっと日常とは切り離されている気がして。資料として見るならそれで良い気がしますが、コーヒーを飲んでいる時など、ふとした時に読みたい。
自分の好きな本だと、手に持ってパラパラ眺めるだけでも良いですし、背表紙を眺めるだけでも満足感を味わえます。

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本を集める事に熱中していた頃は、色んなものチェックしていましたが、子供が大きくなるに連れてその時間も減っていきました。flotsambookさんのSNSアカウントでは動画などで分かりやすく伝えてくれるので本当に助かってます。いつもありがとうございます。

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