2022公開!世界で大人気「ボブ猫シリーズ」幸せのギフトとは(本・映画編)
1.「ボブ猫」映画とシリーズ本紹介(ネタバレあり)
2012年、本国イギリスで、ジェームズ・ボーエン著
「A Street Cat Named Bob: And How He Saved My Life」
が発売されるとたちまち話題に。
40以上の言語に翻訳、シリーズ化され、
世界でシリーズ累計1000万部を超える大ベストセラーに。
2017年には、日本でも映画が公開されています。
「ボブという名の猫 幸せのハイタッチ」
この記事では、2017年公開の映画と、
来春公開する二作目映画の原作本(シリーズ完結作)
「ボブが遺してくれた最高のギフト」
両方をピックアップして、その見どころをお伝えします。
また、一作目の映画を観ていなくても、
二作目の映画を楽しんでいただける参考情報を集めました。
実は、このボブシリーズを最初に知ったのは、
2020年の2月のこと。
本の翻訳者である稲垣みどりさん(友人)から、
作品を紹介されたことがきっかけです。
最近、やっと、この本を読んだところ、優しい気持ちに……。
花を贈るときにも参考になる。
そして、先行き不透明な今の時代に、
希望がもてるような温かな作品で、
多くの方に観て(読んで)もらいたいと感じました。
翻訳者よりメッセージも預かっているので、
それは、最後にお伝えさせていただきますね。
2. 映画と本の見どころ(2022年2月公開映画の参考にも)
映画と本、それぞれの見どころをまとめました。
映画では、
(ボブとの出会い、恋仲の女性との関係など)
オリジナルのアレンジがされていますが、
本も映画も、ほのぼの癒される、
「絶望のふちにいた青年が、
ボブや温かな人々とのつながりから、救われていく」
そんな、希望を与えてくれる作品です。
3. 著者の思いをつなげるために(ネタバレあり)
「誰にでもセカンドチャンスはある」
自らの苦くも幸せな経験をシェアすることで、
多くの人に「希望」をもってもらいたい。
と、語るジェームズ。
本も映画も
ボブが、可愛すぎる!
その姿を見ているだけで、笑顔で楽しめる。
そして、ジェームズさんの本では、
(希望がもてる)人とのつながりを、より多くの人に
知ってほしい……という思いが伝わってきます。
一方で、社会の課題(貧困や孤独)に対して、
イギリスと日本では受け止め方は、
少し違うかもしれません。
日本では、
チャリティー支援活動への受け止め方はどうか……。
大切なのは、希望なのか現実なのか……。
(希望を絵空事と、いつしか、
あきらめてしまっていないか)
そもそも、この希望のあるストーリーを、
現実に、自分のこととして心から信じられるか……。
世界的な大ベストセラーとなったこの作品を、
そんな社会課題と照らしあわせることで、
著者の思いを理解しながら、
作品をより深く楽しんでいただけると思いました。
そこで、
一作目の映画(ボブという名の猫 幸せのハイタッチ)と
本(ボブが遺してくれた最高のギフト)から、
印象的なシーンをピックアップ。
今の社会と照らしあわせて、個人的な感想を、
共有させていただきます。
作品を楽しんでいただくための
参考にしていただけたらと思います。
①お金に代えられないgive
この作品では、
色々な「give」が描かれています。
「~してあげた」という上からのgiveは、
相手の自尊心を傷つける冷たい視線と同じこと。
むしろ、それによって、その人の
希望や挑戦の気持ちを奪ってしまうかもしれない。
一方で、お金(時間)がなくてもできる
お金に代えられないgiveもある。
「人は、それぞれ固有の背景がある、
誰もが希望をもてる」
そんな、温かな眼差しと「共感」の気持ち
それは、(ジェームズがそうであったように)
その人が、希望をもって、
前に進む原動力を後押しすることになる。
とはいっても、社会は複雑。
作品にも出てくる、弱さと依存につけこみ
荒稼ぎするドラック売人のように、
優しさにつけこむ人だっているかも……と、
偏見だったり、その複雑さから
逃げたくなる気持ちもあるかもしれません。
でも、セカンドチャンスに向けて、
必死に頑張ろうとする人もいる。
その(助けを求める)声が、
かき消されてしまう社会だとしたら、
とても残念なこと。
(ジェームズは、「助けを求めることの大切さ」
についても、語っています)
たとえ、
お金や時間という形でgiveできなくても、
自分の目線(言葉)一つで、
相手の人生を変えるような
大きな価値につながることもある。
また、その逆もある。
そう、あらためて、気づかされます。
②お金以外のgive and take
ジェームズが自立できたのは、
このような直接的支援があったから。
日本は、アメリカなどと比べると、
恵まれた社会保障制度もあるし、
他にも、チャリティーやボランティア、
営利を目的としないNGO、NPOといった
組織のソーシャルサポートもある。
最近は、その運営を持続可能な収益につなげていく必要性から
ソーシャルビジネス(社会課題を解決するビジネス)が注目されたり、
ESG、SDGsに配慮した企業への投資に目が向けられるように。
お金以外のgive and take
作品にも描かれている、自立したいのに
その出口が見えないという負のループ。
それは、辛く耐えがたいもの。
負い目を感じて、助けを求めることをあきらめて、
他に依存を求めてしまうことも。
その中で、お金以外でも、人の尊厳に配慮した
自立(「希望」や「個人の可能性」を見いだす)
を目指したサポートが求められています。
経済不況のなか、
日本にあるこの根深い課題には、
大きな枠組みを変えるような
知恵、アイデアもまた必要に。
人の幸せを目的として社会を変えていく、
社会デザインが期待されています。
個人的には
そんな支援活動をされている方々へ
感謝の気持ちを忘れずに。
そのようなビジネスを応援する意識を
忘れずに。そう、あらためて感じます。
ジェームズが路上で販売していた雑誌、
ビッグイシューは、ホームレスや生活困窮者に
路上での雑誌販売という仕事を創り、
社会的自立を支援している英国発祥の社会的企業です。
(ご参考)
ビッグイシュー日本サイト
現在、路上販売者のボブシリーズ書籍販売は完売しています。
https://www.bigissue.jp/2020/11/16980/
③give and takeからgive and smileへ
それは (純粋な愛からの)真の助けあい
give したら takeという、
お金や価値と交換することとは少し異なるもの。
といっても、現実は、
「生きるのに必死なんだ!」
「それは相手次第だよ!」って、言いたくなる。
信頼できる親しい人にはそうするけど、と……。
一方で、日本を含めた世界では、
SDGsという共通の目標を掲げている。
目標というより、壮大な理想のように思えますね。
キーワードは、「持続可能性」
「今さえ」の精神から、
世代間の公平さ、次世代に配慮する
未来への共感が求められています。
そこには、個性と個性が花開くような、
自由と愛がある……。
「give and take」 から
takeをもっと新化させた
「give and smile」
そんな理想的な未来へ
コミュニティーの枠を超え、
親しい人に接するように、
もっと多様にフラットに、その愛を広げて。
それが、社会全体の豊かさや繁栄につながる。
「お互いが自然と笑顔になるような共感性」が
ビジネスでもプライベートでも、
より求められていくのだろうと思います。
「きっと、それが本当の幸せなんだろうな……」と。
でも、自分にできるかどうか。
個人的には、自分のできる範囲で、
少しずつ、それに向かっていく。
そんな希望に目を向けていたい!です。
本の最後の章には、
親友のベルとボブ、二人と一匹で過ごした
小さいけど温かなクリスマスについて、書かれています。
そのときに、プレゼント交換で贈ったものは……。
ジェームズが選んだ贈り物も、普通じゃなくて面白いけど、
ベルが用意した贈り物には(涙)、ジーンときました。
それはお金では買えないような
ジェームズが「幸せ~(smile)」と、
心から感じただろう素敵なギフト。
ピュアな愛が込められているのです。
(それを、ここで伝えてしまうのはもったいないので……)
本と来春公開の映画でのお楽しみ♥
4. まとめ(翻訳者からのメッセージ)
悲しいお知らせですが、
ボブは、2020年6月に天国へと旅立ちました。
「ボブからの最高のギフトを大切にしたい」
と、著書の中で語ったジェームス。
Facebookでは、最近の彼の明るい表情、
日常生活の様子が伺えます。
本の執筆以外にも、チャリティー慈善活動を続けていて、
家族との関係も改善し、
音楽ライブなども楽しんでいるようです。
ボブ、そして、人々の温かさが、
彼の人生を変えてしまった……。
そんな「最高の、幸せのギフト」をもらったジェームズは、
その分、また多くの人にギフトを与えようと、
様々な活動に励んでいます。
(20+) James Bowen & Streetcat Bob | Facebook
そして、ボブの銅像も無事に完成。
2021年7月に、ロンドン北部
イズリントングリーン広場でお披露目式もありました。
この記事にある情報ソースの多くは、
翻訳家の稲垣みどりさんに協力いただき、収集したものです。
(他の訳書も多数出版。詳しくはAmazonにて)
※Callaお勧め
『BIG NINE(ビッグ・ナイン)
巨大ハイテク企業とAIが支配する人類の未来』
(未来学者エイミー・ウェブさんがAIの未来を予測!)
最後に、翻訳者から皆さんへのメッセージです!
海の向こう・英国発~
心温まる映画とシリーズ本のご紹介でした。
ボブのかわいいハイタッチ、
肉球スタンプも、ぜひお見逃しなく♥
#映画感想文 #読書感想文