ちぐはぐな教育界
さて、今回は『回している教育界』というテーマで書いていく。
昨日、ある方とお話をした。その中で共有いただいたものがある。
「令和の日本型学校教育」構築を目指して(中間まとめ)だ。
ここには、成果や課題、方向性、教育のあり方等が示されている。
この中間まとめについて、クリティカルに分析しながら読んだので、まとめていく。
今日は3ページ目について、読んでいこう。
まず、 『これまで日本型学校教育が果たしてきた,1学習機会と学力の保障,2社会の形成者としての全人的な発達・成長の保障,3安全安心な居場所・セーフティネットとしての身体的,精神的な健康の保障を学校教育の本質的な役割として重視し,継承していく』について。
果たしてきた「学習機会と学力の保障」?笑わせないでほしい。公立学校の中でさえも、そんなもの保障できていません。トップダウンという環境を創り上げ、文科省、教育委員会、校長という立場からの指示を待つ、指示待ち人間を育成している公立学校では、学力なんて保証出来ません。学校にいるだけで学習機会が保障されますか?学力が身につきますか?
そんなことはできません。人が足りないんだよ。金が足りないんだよ。やる気を引き出してないんだよ。
社会の形成者としての全人的な発達・成長の保障?「全人的な」ってなんですか?この文書は誰に向けて書いているのですか?いわゆる教育の専門家に向けてですか?国民に向けてですか?意味の伝わりにくい、抽象的なワードしか選べないのですか?もう少しかみ砕いた言葉で書いてください。
安全安心な居場所・セーフティネットとしての身体的、精神的な健康の保証?そもそもとして、学校って何をするところですか?安全の保障ですか?安心の保証ですか?身体的な健康ですか?精神的な健康ですか?じゃあ、それらを提供する教員の「安全」「安心」「健康」は保障されていますか?まず、わたし自身は保障されているように思えないことは示しておきます。
この一文だけでも、これだけ出てくるんですよね。
決定打があります。しかも同じページに。それが、
(1) 学校教育の質と多様性,包摂性を高め,教育の機会均等を実現する
この文章の「教育の機会均等を実現する」です。
おや?ちょっと待ってください。さっき、「これまで日本型学校教育が果たしてきた,1学習機会と学力の保障」と矛盾していませんか?
この文章は、ほかの部分と正反対のことを言っている部分が多いんですよ。さて、中央教育審議会初等中等教育分科会の方々はどちらを推したいんでしょうね。