Flâneur
民俗学関係なく、ただフラフラと遊歩した旅の記録。
中欧をメインに仮面行事や祝祭日の風習など。
日本のお祭りや神様を訪ねて。
パクチーが苦手だ。旅先の食に重きをおくタイプなので苦手な食材が避けられない国は旅行先リストに入れていなかった。 コロナ禍に大事な家族の一員であった犬が亡くなった。その悲しみから鬱になり臭覚が鈍くなった。半年後に新しい犬を迎えたこともあり1年くらいで鬱抜けできたのだが、臭覚は未だに戻らない。何が言いたいのかと言うと、幸か不幸か鬱で臭覚が弱まり、ある日からパクチーが食べられるようになったのだ。 「そうだ。ベトナム行こう」 パクチー解禁、3泊4日弾丸で友人と2人ハノイへと旅だ
冬の結婚式 Сватбите в Рибново はブルガリアでポマクと呼ばれるイスラム教徒、その中でもごく一部の地域に古くから伝わる婚礼の儀式。このとても珍しい婚礼の儀式を数年前にAFPBB Newsのツイッターで目にした。なんてエキゾチックで不思議な雰囲気が漂う花嫁の姿なんだろう……その好奇心からネットで調べたりブルガリアの友人に質問したりしているうちに「できればいつか自分の目で見てみたい」とぼんやりと思うようになった。そして今年もまた同ツイッターで“冬の結婚式”が行われ
いつの間にか日本に浸透しクリスマス同様に恒例行事の一つになってきたハロウィン。今回は知っているようで知らないハロウィンのお話し。 ハロウィンってどんな祭り?ハロウィンはキリスト教の祭りにあらず。10月31日はヨーロッパ先住民ケルト人の暦では新年にあたり、現世に戻ってくる祖先の礼を迎える、いわば日本のお盆のような日。ケルトで11月1日に行われていた収穫期の終わりと冬のはじまりの節目行事であるサウィン祭(火の祭)が元と云われ、この習慣はアイルランド系移民によって新大陸北アメリカ
Flâneurの取材で岩手県遠野を旅したのは2019年のこと。本当なら昨年また違う媒体で遠野を取材する機会があったのですが、憎きコロナの影響で断念。今年こそは取材抜きでも再訪したい。そんな思いを込めて遠野の旅を振り返りたいと思います。 ◆遠野を旅した理由私が作っているリトルプレスFlâneurには“遊歩者の旅”というコーナーがあります。ただ気ままに旅する紀行文もあればテーマを絞ったガイドブック的な内容の時もあり、号によってその旅の形は変わります。 「次の旅のテーマはどうし
中欧や東欧の聖バルバラの日について調べていたある日、画像検索でとても気になる仮面装束の図版を見つけた。一体誰が描いたものなのか。今回は探偵気分でネットを彷徨いお目当ての図版が載っている本を手に入れたお話し。 ◆この図版の作者は誰?この図版を初めて目にした時、民俗学云々よりも暗くてちょっと不気味で霊的な雰囲気に心惹かれた。どうしても作者が知りたくなり画像検索をしてみると Pinterestとtumblerにピンされた画像ばかり。どちらかのリンクを踏むとどちらかに飛ぶ……その繰
行きたい場所があると、調べに調べまくるのはいつものことなのですがコロナで出かけられない分、いつも以上に妄想や調べることに熱中しています。今回は今一番行ってみたいと思っているルーマニアのお祭りについて書きたいと思います。 ◆熊踊り Jocul urșilorルーマニアはキリスト教前からの祭や風習が今も多く残されている国です。その中でも赤い魔除けのタッセルをつけた熊の大集団が登場する“熊踊りJocul urșilor”はそのインパクトから毎年冬になるとネットニュースやSNSで話
はじめましての投稿は自分が世界(主にヨーロッパ)のお祭りの仮面や装束にのめり込むきっかけになったКукериクケリのことを書きたいと思います。 2013年に発行されたフランス人写真家のシャルル・フレジェの写真集『WILDER MANN』で紹介された、ヨーロッパのキリスト教前からある祭の野生的な仮面装束がSNSで話題となりました。その中でも見た目のインパクトからブルガリアのバブゲリという装束に注目が集まりました。 (下記写真がバブゲリ2018年撮影) 以前から芳賀日出男の