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戦力を集中すべきところ、分散すべきところ

あるいはOKRの得意なとこ、苦手なところについて。

仕事がら多くの会社を見ていて、OKRとか戦力の集中がうまくいくシナリオと、失敗するシナリオに典型例があると思った。そんなメモ。


順番に対処できるなら、リソースを集中する

RPGで敵の四天王を倒すとき。パーティみんなで敵の四天王を、順番にフルボッコにしていくパターン。これは正しい戦力の集中。

「3ヵ月以内に炎の四天王を倒す」は、よいOKRです。

逆に少年漫画でよくある、メンバーが手分けして四天王1人づつ倒す展開…あれは悪い運用の例。

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同時達成が求められるときは、リソースを平行運用する

センター試験のように、複数の目的を同時達成するシナリオは注意が必要。

「英数国理社すべて同時に目標達成しなければならない」

そんなシチュエーションでは戦力を平行運用し、バランスをとるのが正しい。「最初の6ヵ月は英語をやって、次の6ヵ月は数学をやって」といった、目標設定をすると死にます。

この場合、正しい目標の設定は「総合点をX点にする」とか「受験に集中する」などになります。

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ボトルネックがある場所では、分散を検討する

「キッチンに立てるスペースが1人分しかない」といったシナリオ。渋滞のおこりやすい場所では、戦力の分散運用を検討する。

渋滞の手前までは、戦力の集中を行ってもいいが、そこから後ろでは、リソースの大半が待ちになってしまう。休眠リソースは無駄。

こういう状況では、部屋の片付け、食器のセットアップ、ビールを買いに行く…などリソースを分散させたほうが効率的です。

目標を設定する場合も、「みんなで人参を切る」みたいな設定をするとフェイル確率が高まる。各人の個別タスクにたいして目標を設定するとよい。

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俯瞰が必要な局面では、リソースをサイクルさせる

定期的な複数要素の、バランス調整が必要なシチュエーション。「絵を描く」みたいなシチュエーション。これもOKRが苦手な局面。

「右手だけ集中して描く」とか「顔だけ集中して描く」みたいなスタイルはで絵を描くと、モチーフが全身骨折して、集中治療室送りになる。

こういう統合的なシチュエーションでは、全体を観察し、全体に軽く手をいれ、バランスをとり、何度かリセットをして…と「全体の往復」と「複数回のリセット」を織り込む必要がある。

OKRをやる場合も、目標設定を「まずは全体観察、次に全体ラフ、全体描き込み…」といった具合に、フェーズごとに細かくを切り替えていく必要がある。

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時間制限のある場所では、全戦力を集中する

爆弾が爆発する…とか、ネットワークエフェクトがある市場とか、時間内に目標を達成しなければいけない時は、全戦力を集中する。単発の事象なのでOKRはあまり関係ない。設定する場合は、「この爆弾解除のほかは、すべて無視」という目標設定が望ましい。

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節目でも全戦力を集中する

関ヶ原の戦いのような、「ルート分岐」の分かれ目では戦力はケチらない。目算を余ってゲームオーバーになるリスクがあるなら、過剰戦力を投入するほうが望ましい。紙一重で勝とうとして、計算をあやまって死んだり泥仕合をするのが一番ダサい。

節目の戦いでは、「これは過剰では?」と思うぐらいの、ガチ戦力を投入するのが望ましい。単発の事象なのでOKRはあまり関係ない。設定する場合は、「このバトル以外すべて無視」という目標設定が理想です。

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一発ゲームオーバーを避るときは、リソースを分散する

負けないことが大事な戦いで、一発ゲームオーバーのリスクを高めるのは悪い戦力の集中。「FXで25倍トルコリラ全額投資」などは負けパターン。

負けない戦いでは、交通事故を防ぐためにリスクの分散を優先する。こういう場所でも「全額で株を買って」そのあとに「全額で債権を買って」などは、間違った戦力集中。「新興国株、アメリカ株、債権、現金を25%持つ」がなどがよい。目標設定も「負けないこと」や「リスク分散」に設定する。

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短期で流動的な総力戦は、OKRの弱み

サッカーの試合のような短期総合戦には、OKRはほぼ役に立たない。「最初の5分、ドリブルだけしましょう」とかも、まぁうまくいかん。そもそも下手したら「PDCA」はおろか、戦闘中に「状況を俯瞰する」ことすらできない。

「ガードに徹する」みたいな目標設定は一見役に立ちそうだけど…敵の打ち手でとるべき手が二転三転する状況では、うまくいかない。

こういう状況では、総合的な戦いを行うしかありません。

OKRは試合の前行程、「試合に勝つためにX時間練習をしましょう」とか「サッカー以外あきらめましょう」みたいなレイヤーで行いましょう。

短期流動戦に、マネジメントが口出しをしすぎると、失敗するので注意。開戦前の準備を完璧にするのが、マネジメントの理想的なムーブ。

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取り組む課題によって戦力の集中や、OKRの設定方法はかわる

というわけで、どうも目標設定、OKRやKGI運用がうまくいってない人は、集中と分散の使い分けを間違えてることが多いように見えます(個人の観測範囲)。

いろんな案件で、「東大うかるために、今年は英語だけやります!」みたいなOKRの目標設定をなんども目にする。(「東大受かるために、今年は受験勉強に専念します」が正しい)。

ざっくりまとめると、以下みたいな特性で、集中か分散か、OKRの目標設定の粒度どうするか決めると、プロジォクトが滑りにくいかな…と思います。

戦力の集中が有利な場所
・順番に撃破可能
・ルート分岐の節目
・時間制限や競争がある
戦力の分散が有利な場所
・同時達成が求められる
・バランスが本質である
・大きなボトルネックがある
・リスク回避が必要なとき
戦力の集中時にOKRが得意な場所
・あるていど長期である
・戦局が二転三転しない
・課題解決の道筋がリニアである
戦力の集中時にOKRに工夫が必要な場所
・電撃戦
・戦局が流動的である
・複数の因子が交錯してる
・バランスが本質である

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