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社員は単なる「労働力」ではなく、「最大の投資家」である。という解釈への違和感

こんにちは、あるいはこんばんは。
人・組織の困ったをハンズオンで解決に導く人事支援サービス」を提供している FiVE Inc. 代表の泉谷(@Show_Iz)です。

このコラムは株式会社ココナラでのぼっち人事時代に個人のnoteアカウントで書いたものをいま時点の視点で再考し、リライトしたものです。

社員は単なる「労働力」ではなく、「最大の投資家」である。

本コラムのテーマである上記センテンスは「社員は人生の貴重な時間を会社に投資しているので、企業は社員のモチベーションを高めることが重要だ」みたいな文脈(雑)でわりとよく耳にするんですが、聞くたびに「それっぽいけどほんとにその解釈でいんだっけ?」となんだかモヤモヤしてしまいます。

もともとはそのモヤモヤを晴らそうと軽い気持ちで X(Twitter) に書きはじめたところ、とうてい140文字ではおさまり切らないことが判明したので丁寧にまとめておくことにしました。




1. 「投資家」とは?

そもそも「投資家」というのは自分が投資する対象の未来を信じる人だと自分では理解しています。ただ、自分の理解が間違っていることは日常茶飯事なので、あらためて投資家の定義について調べてみました。

Wikipediaによると以下のとおり。

<概要>
投資家の投資対象には株式や債券などの金融商品、不動産、コモディティなどがあるが、その保有目的(投資の目的)には様々なものがある。
例えば株式であれば経済的な利潤(配当や値上がりによる利益)が目的である場合もあれば、会社の経営への参画であることもある。短期の値動きによる利益を狙う「投機家」や「トレーダー」に対して、長期の値上がりを期待する立場を意味することもある。


長期の値上がりを期待する立場

やはり長期的な価値向上を期待している(投資対象の未来を信じる)人を「投資家」と呼ぶという自分の理解は正しかったみたいです。


短期の値動きによる利益を狙う「投機家」や「トレーダー」

短期的な利益を狙う人は「投機家」や「トレーダー」と呼ばれており、「投資家」とは別物のようです、なるほどなるほど。

2. 「投資家」と「投機家」の違い

それほど深く調査したわけではないのですが、以上の点から、会社員としてのモチベーションの源泉が以下の状態になっている人は「投資家」ではなく、「投機家」や「トレーダー」なんじゃないか?という以仮説に辿り着きました。

もう少し具体的に考えてみると、会社(組織)で描いている事業の未来像や実現したいビジョンよりも今この瞬間の利益や快適さ等でモチベートされる人は「投資家」ではないとなります。

なんとなくわたしの中のモヤモヤの正体が見え隠れしてきました。

3. モヤモヤの正体

会社(組織)は当然のことながら様々なタイプの人で成り立っているので、上記の様な今この瞬間の自己にとっての利益や快適さ、気持ち良さの方を重視し、それによってモチベーションが上下される人は一定程度います。

なので、「社員は投資家である」のように「投機家」タイプや「トレーダー」タイプの方も含めて一緒くたに「投資家」と言い切られると違和感を感じてモヤモヤしちゃうんですね。

加えて、なにか複数の要素があるものを強引にひとつにまとめて言い切るみたいなことも個人の性質的に好ましくないと感じるなっていう面も結構あることを思い出しました笑。

さぁ、原因が分かって、だんだんスッキリしてきました。

加えて、「投機家」タイプや「トレーダー」タイプの方は内向きで、ちょっとした変化に敏感だったり、自分の都合を第一に考えがちな(あくまで個人的な)印象です。

やりたいことができないとか、処遇に納得・満足できない、他社と比べてウチは◯◯だ(比較の結果、自分が損をしていると判断)など短期視点かつ個人視点での不平不満を溜め、その結果、組織を離れていきます。それっぽい言い方をすると彼らは損切りをします。過去には自分もそんな感じで転職をしたこともありました。

くれぐれも勘違いしてほしくないのですが、ここで言っているのは「社員は投資家」とひとまとめにしちゃうことに違和感があるという一点で、自分が抱いている違和感の正体を明らかにするために色々紐解いて考えているだけです。

ですので、短期的な利益を期待する方を批判するつもりは全くないです。むしろ、不確実性の高い未来よりも今を重視するのは全然普通のことだと思っています。そもそもいまの積み重ねの先にあるのが未来だったりもしますしね。

4. 「投資家」と呼べる人を優先的に採用すべき企業

というわけで、モヤモヤの原因が分かったと同時に、もうひとつ分かったことがあります。

それは、ビジョン / ミッションの実現を第一の目的として存在する企業(ビジョンドリブン / ミッションドリブンな企業)においては、「投機家」タイプの方や「トレーダー」タイプの方よりも「投資家」タイプの方を優先的に招き入れる必要があるということです。

わたしが以前に働いていたココナラ株式会社のビジョンは、『一人ひとりが「自分のストーリー」を生きていく世の中をつくる』というある意味では途方もないビジョンを掲げており、相当に足の長いものでした。

まさに、短期的な利益ではなく、長期的な価値創造をしていく必要があるため、ビジョンが実現した世界、そこに共感いただける方の方が仲間として短期的にも長期的にも気持ちよく働いていた印象で、共感採用の有効性を肌で感じていました。

さらに今回、自分のモヤモヤについて考えた結果、本題ではなかったが、よく採用要件等で定めされている「ビジョン / ミッションに共感する人」の解像度を上げることにも成功した気がしています。

いやー、スッキリスッキリです✨

補足となりますが、企業として社員のモチベーションを高めることが重要というのは本当にそのとおりで、そこに関しては1ミリも違和感はありません。

「投資家」タイプの仲間を集め、彼らに成果を出し続けてもらうためにも、企業としてはモチベーション向上に真摯にかつ恒常的に取り組む必要があることは間違いないと考えています。

最後になりますが、投資家タイプの仲間を集めるために有効な「共感採用」をテーマとしたWantedly社主催のイベントにも登壇したことがありますのでまとめ記事をシェアさせていただきます。

【参考】ココナラが語る、組織が急成長してもぶれないカルチャーを築く方法|共感採用はなぜ必要か vol.01【Event Report】


共感採用については、思想だけでなく現場レベルの実務経験もかなりありますので、共感採用を推し進めていきたい企業さまがいらっしゃいましたら、ぜひぜひ下記お問い合わせフォームからご相談くださいませ!


最後までお読みいただきまして、ありがとうございました!

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