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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論575」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第16号(2005.1.25発行)「カーブズモデル、九州で急展開(Bライン)」1~※名称等は当時、一部文章省略

一般的なフィットネスクラブのビジネスモデルとは異なる発想からユニークなコンセプト、ターゲットを設定し、独自のビジネスモデルを築き、市場深耕を成し遂げている施設と経営者を紹介する本コーナー。
第2回目は、カーブスモデルを福岡県に3店舗展開。
既に6店舗までの出店計画を持ち、急展開の様相を見せる有限会社Bラインにスポットを当てる。

カーブスに出会う

「女性だけの30分フィットネス」。
広さ約30坪の女性専用クラブ「Bライン」は、幼稚園に子どもを預けた後の主婦や、買い物ついでの中高年女性らが気軽に立ち寄る場所になっている。

現在、米国を中心に急成長を続けるカーブスモデルを展開する有限会社Bライン(以下、Bライン)は、2003年8月設立。
以来、約1年半で3店舗を出店、全店黒字化させている。
企業としても初年度から利益を計上し、今後の出店計画も着々と決まってきている。

同社代表取締役S氏を「水泳指導者」としてご存知の方も多いだろう。
福岡でスイミングクラブを3店舗経営し、水泳連盟で外国委員を務め、NHKの水泳教室や、バルセロン、アトランタオリンピックでテレビ解説などを務めた人物。
海外に情報収集に行くことも多く、その際に知り合った米国人女性と結婚、3人の娘に恵まれた。
同氏がこのビジネスと出逢ったのは、5年前に一家で米国に居を移すことを決め、引っ越した後すぐに奥様がカーブスに入会したことがきっかけである。
S氏の奥様はそれまでフィットネスクラブに入会するだけで安心してしまう所謂「眠れる犬」メンバー。
それまで様々なクラブに入会するものの、ほとんど利用したことがなかった。
カーブスに入会した時もS氏は、「またか」と思っていた。
ところが、今回は違った。
昨日もクラブに出かけたと思ったら、今日も出かけている。
体型も変わってきた。
以前、子育てのストレスなどで塞ぎがちだった様子も、気付けばすっかりなくなっている。
その変化にS氏は不思議に思い、ある日そのクラブに連れていって貰うことにした。
そのクラブ、カーブスは、住宅地のオープンモールの一角にある女性専用の小さなクラブ。
ノリのいい音楽の中で女性たちがサーキットトレーニングを楽しそうにやっていた。
S氏はスイミングやトレーニングの研究に長く携わっていたことからサーキットトレーニングの存在は知っていたが、音楽をかけて行うことや女性専用であること、そして何より住宅地にクラブがあることに大きな可能性を感じとった。
当時奥様と一緒にできるビジネスを始めたいと思っていたS氏は「これだ」と思った。
早速、ミネアポリスで開業準備に取り掛かる。
ところが、このビジネスの話を日本の知り合いにしてみるとどうも話が噛み合わない。
このビジネスが日本にまだ無かったためだ。
「それなら、日本でやってみた方が面白い」。
そう考えた同氏はカーブスの本社に電話。
ところが日本への進出はまだ同社の将来計画にないという。
そこで当時、既に全米に広がっていた同業態のクラブ展開を進めている企業に上から順に当たっていった。
米国では同業態最大手が「カーブス」、次が「ワークアウトエキスプレス」、そして「イットフィギュアーズ」と続く。
中でもこの3番手の「イットフィギュアーズ」はその他のチェーンと違い、フランチャイズ制を取っておらず、ライセンス制で事業をサポートしている。
カーブスの場合、毎月約7万円のロイヤリティが必要となるが、イットフィギュアーズにはロイヤリティがない。
これならリスクが少なく、また日本でも展開しやすいと考えたS氏は「イットフィギュアーズ」に学ぶことを決め、セミナーを受けに行くことにした。
1回の研修費は3800ドル(約40万円)。
すぐにでもビジネスをスタートさせたいと思っていたS氏は、2003年6月に1回目の研修を受けた。
さらに翌月、英語で理解しにくかった部分を理解しようと奥様を連れて再び同じ研修に参加した。
そして8月、単身日本に戻り、会社を興した。

~ここまで~

今でこそカーブスは日本国内で最も多いフィットネスクラブとなっておりますが、20年前には国内に存在せず、米国に居住していたS氏と日本の知り合いとの間で話が通じなかったというエピソードは非常に面白いと思います。

それが今や2000店舗を越えたとなると、単純平均で年100店舗増えていったわけですから、このスピード感はこれまでの業界にない急展開だったと言えます。

最近、ライザップ社が「チョコザップ」という無人コンビニジムを、それ以上のハイペースで出店しており、店舗数NO.1になるかどうかは見物です。

さて、記事にあるBラインがその後、どんな店舗展開となったかは、また後日、触れたいと思います。

お読みいただきありがとうございました。

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