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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論306」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第2号(2002.9.25発行)「News&Trends(Japan):メディカルフィットネスという名の罠」1~※名称等は当時、一部文章省略

LTVを高めるマーケティングについて触れた後で、次代が求める方向性と期待されている「メディカルフィットネス」について批判めいたことを言うのをおかしいと取る向きもあろう。

だが病院やクラブがマイオピア(近視眼)の罠にはまって経営を誤らないように、少し警鐘を鳴らしておきたい。

メディカルフィットネスは病院が「フィットネス」の機能を付帯するパターンと、フィットネスクラブが「メディカル」の機能を付帯するパターン、その他のパターンの3つに大別できよう。

■病院が「フィットネス」の機能を付帯するパターン

所謂「(医療法)42条施設」で医師が生活習慣病患者に施す指導管理に対して別表の点数(改定後)を月1回限り、所謂マルメで各保険機関に請求できるという仕組みがある。

この仕組み、今年3月若干の改定があった。

「指導管理」の中身として、医師には月1回以上の適切な指導と治療管理をすること、及び3ヶ月に1回の「療養計画書」の発行が義務づけられることになった。

それまでは「運動療法指導管理料」として位置付けられていたものが今年4月より「生活習慣病指導管理料」となり、このように改定されたのである。

改定による変化のポイントは従来より患者負担が大きくなったことにある。

医師は対象者が絞られる上に、施設とサービスを対象者の対価に相応しいものとしなければならなくなった。

すべての「医師」がまともに運動や栄養を指導管理できるのかという問題や私的な生活習慣の悪さに起因する病に対する治療費用の多くを公的な健保財源から負担するという問題も別の面で残るが、一般的に経営的視点、もっと言えば顧客視点に乏しい医療関係者はきちんとした施設やサービスが提供できるのか不安である。

また、安直にこの「モデル」に乗り、経営を危うくする医療関係者が出てこないかということも心配でならない。

実際に、「患者」でない顧客に、この生活習慣病指導管理料を適用し、当局に指導され地域住民の不信感を買った「42条施設」があると聞く。

~ここまで~

この20年間で、膨張し続ける医療費問題に対して、行政は「予防」に対する意識・施策を進めてきましたが、実際のところ、医療機関が積極的にメディカルフィットネス領域に参入する大きな流れは生まれませんでした。

また参入した病院フィットネスにおいても、記事にあるようなサービス業として経営力を備えたクラブは、アバター近藤が知る限り存在せず、どちらかと言えば、使命感から設置・運営し続けているクラブがほとんどではないかと推測できます。

もちろん病院とセットで経営し続けられれば、フィットネス部門は赤字でも良いという判断は否定しませんが、「メディカルフィットネス」という括りで捉えれば、成功しているとは言い難いのも事実です。

残念ながら医療とフィットネスが融合しづらい日本のヘルスケア環境は、医療費問題に対して好ましい状況ではないと言えるでしょう。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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