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6月20日(火):いずれは介護難民が400万人

昨日の日経新聞では「400万人の『介護難民』 支え手120万人不足」と題した記事がありました。

同記事では第一生命経済研究所の試算から2050年度に介護保険で「要介護」か「要支援」となる人は941万人と2020年度から4割近く増えるとの見込みです。

一方で施設や訪問で介護を手掛ける介護職員は302万人必要になるものの、現在の就業構造を前提にすると6割の180万人しか確保できず、122万人も足りなくなるといいます。

その結果として要支援を中心に4割程度、約400万人近くはケアを受けられない「介護難民」になっていく点への問題提起です。

私たちはフィットネスクラブの運営が主たる事業ですが、そこに通われているお客様が一時的に休会される最多の理由が「ご家族の介護」でもあります。

そうしたケースを日常的に見聞きしているだけに、肌感覚としても介護増と担い手不足の状況は実感します。

前述した記事で解決策のひとつに挙げられていたのはAIやロボットなどのテクノロジーによるサポートです。

高齢者施設で就寝状況などの見守りセンサーをすべての入所者で導入すると職員の業務時間が26.2%減り、対応できる利用者数が1.3倍に増えた旨の記載がありました。

それでも現状で見守りセンサーを導入している施設は3割止まりだというので、こうした点は改善・好転をさせていく余地がありそうですね。

ただネックになりそうなのは介護事業者の経営状態で、同事業者の倒産件数は2022年に143件と2000年に介護保険制度が始まってから最も多くなっており、状況を改善するための費用が捻出できないところも多いのかもしれません。

このような状況を踏まえると、そこに補助金などを投じていくのかどうかの判断でしょうか。

介護に関連した他のコラムでは現状を打破するためのテクノロジーの導入は必須で、その模索を各介護事業者に委ねるのは難しいから政府がベストプラクティスを示すべき、との考え方にも一理あります。

昨日までは認知症基本法の成立から認知症に関連したことを記しましたが、認知症や介護に適切な対応ができる社会づくりは先送りのできない問題であるだけに、政治や行政を含めて物事を前に動かしていくことが求めれる局面だと思います。

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