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9月3日(日):社会課題の解決とゲーミフィケーション

半月ほど前の日経MJでは東京電力パワーグリッドなどの3社が2024年を目処に、社会貢献型ゲームの提供を始める旨の記載がありました。

概要としてはゲーム参加者に身近な電柱の写真を撮影してもらい、そのプレイ状況によって仮想通貨などの報酬が得られる仕組みで、まずは東電管内から試験運用するとのことです。

東電管内には約600万本の電柱と4万5,000本の鉄塔があるそうですが、これらの点検にかける労力、時間は相当なものです。

そこでゲーム要素を取り入れることで一般生活者にも対象物の確認・撮影の一端を担ってもらい、ひび割れなどの異常を早期に見つけることが主たる意図となっています。

このようなソーシャルな形でゲーミフィケーションを活用した事例でいえば2年ほど前に展開された「マンホール聖戦」が挙げられます。

こちらはインフラの老朽化による崩壊「インフラ・クライシス」を防ぐために下水道のマンホール蓋を対象に、ゲーム性を持たせながら一般生活者の協力を得て撮影によるデータ収集を図ったものです。

ゲームは17歳以上を参加資格とし、具体的なプレイ方法は、はじめに公式LINEからゲームアプリ「鉄とコンクリートの守り人」を登録してマンホールの位置を探索し、現地へ行って「マンホール周囲の状況写真」と「本体の写真」の2枚をセットとして撮影、アプリに投稿する形でした。

その投稿数などによってポイントが得られ、本イベントの貢献度によって各賞が与えられ、イベント全体では賞金総額は100万円を用意した企画です。

第1回目となる渋谷区での開催では区内の約1万個のマンホールが、わずか3日間でコンプリートしたとのことで、区の担当職員だけで実施した場合にはおよそ1年を要するものが一気に短縮された形です。

普段は誰もマンホールなんて気にも留めない存在ですが、こうしてゲーミフィケーションの要素が盛り込まれて楽しいイベントになることで、一般生活者が協力者となってソーシャル展開された好例でしょう。

今回の電柱に関する社会貢献型ゲームも基本的にはこれと類似した流れを狙ったものだといえますね。

こうした市民を巻き込んだ社会課題の解決とゲーミフィケーションは非常に相性が良いと思っています。

面白さと適切な還元を整えた枠組みなら市民の力を活用することができるでしょうから、同様な取り組みや成功事例が広がっていけば良いですね。

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