「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論769」
皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第32号(2007.9.25発行)「カルフォルニア州知事シュワルツェネッガー氏と24アワーフィットネスが取り組む医療保険制度改革」3~※名称等は当時、一部文章省略
ヘルスクラブのインパクト
現在カルフォルニアでは少なくとも3つの医療保険改革関連の法案が検討されているが、それら全てがスムーズに議会を通過するということはないにしても、その中から何らかの成果が生み出されることは十分予想される。
24アワーフィットネスの法人営業担当上級ディレクター、ベン・ミッジリー氏は以下のように語る。
「重要なのは、これらの改革案の全てが予防に重点を置いている点です。」
トーラクソン上院議員が率いた「職場におけるウェルネス・タスクフォース」のメンバーでもあった同氏は、こうした動きがフィットネスクラブ業界に大きなインパクトをもたらすと信じる一方で、以下のような警告も発している。
「クラブのオーナーや運営者は、知事が掲げる計画を単なる事業機会として捉えるべきではありません。私達はこれを機に業界として、人々がより健康に暮らすことをサポートしていく決意を表明していく必要があります。クラブの利用に限らず、公園や自宅でエクササイズすることも含めて人々の健康増進をサポートすることを広く世に対して宣言するのです。これは、知事の自己責任のメッセージとも一致しますし、何よりもそのことによって全ての人々がメリットを享受することが出来るのです。」
シュワルツェネッガー氏は最近のスキー旅行で片足を骨折したが、改革推進の手綱を緩めてはいない。
同氏が下馬評では無理だとされていた知事2期目の当選を確実にしたとき、あるテレビ解説者は彼を「不思議な強運の持ち主」と評した。
その運の強さと、優れたビジネスセンス、そして異なる考えを持つ人々を巧みにまとめ上げる能力により、シュワルツェネッガー氏は目覚ましい政治的成果を挙げつつある。
このように上昇気流に乗り、有能なチームに支えられたシュワルツェネッガー氏が、破綻したカルフォルニアの医療制度を解決し、アメリカ全体に対して有効なモデルを提示する日もそう遠くはないかもしれない。
「私の提案する改革案が実施されれば、全ての人々にメリットがあります」と同氏は約束する。
が、その実現までには多くの障害もある。
それを乗り越えて実現できる人がいるとすれば、オーストリア生まれで「俺の言うことを聞かないと、酷い目に遭うぞ」という笑顔がトレードマークのボディービルダーくらいなものだろう。
~ここまで~
「これらの改革案の全てが予防に重点を置いている点です」という方向感を、日本全体の行政及びヘルスケア関係者が持つことが、非常に重要だと感じます。
記事にある通り、「実現までには多くの障害がある」ことは、日本でも同様で、医療費を払ってもらいたい人々(組織・団体)のパワーが強いという現実を、いかに打破していくかは、予防こそが相対的に全体のメリットが大きいと感じる人々を過半数にしていく必要があります。
パンデミックの際には、必要としている方へ効率効果的に医療が届かないという歪みを多くの人々は目の当たりにしました。
こういうことをつぶさに観察しつつ、意識転換をしていくことが、行政及びヘルスケア関係者のみならず、日本全体に求められていると思います。
お読みいただきありがとうございました。
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