「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論617」
皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第19号(2005.7.25発行)「ヨガ/ピラティス」5~※名称等は当時、一部文章省略
ISO9001認定企業の品質管理システム(セントラルスポーツ)
ヨガプログラムを指導する人材についても、同社は独自の育成システムを採用している。
「ナチュラルヨガの指導者養成セミナーを開催して3年が経過しますが、毎回定員以上の応募があります。先月もパワーヨガの指導者研修を行ったのですが、40人の定員に対して70人が殺到し、結局定員を増やして研修を開催しました」(O氏)
社員であれ業務委託者であれ、同社のナチュラルヨガ・パワーヨガを指導するには、この指導者養成セミナーを受講しなければならない。
さらに、パワーヨガを指導するにはナチュラルヨガの研修を終了していることが必須だ。
研修に参加するのはエアロビクスインストラクターが大半で、希望者はフィットネスヨーガ協会のスタジオで学べるという協力体制も整っている。
また、指導すべき事柄が詳細なマニュアルにまとめられているのも特徴的だ。
参加者に対する言葉かけや注意すべき点なども事細かに書かれているため、全てのインストラクターが同一の質を保ってメニューを提供することができる。
ISO9001認証を受けている同社では、新しいプログラムを提供する際には決められた手法で、その安全性や効果を検証することが課せられているが、そうした検証のステップを踏むことが品質の維持に繋がっている。
さらに、プログラムを導入した後も、同社併設の研究所にて年2回、その内容や効果を再確認し、少しでも疑問が発生するようであれば、即座に補正しなければならない。
これこそ同社が高い品質の保持と安全で効果的なプログラムの提供を継続して行っている所以である。
「西洋」と「東洋」の融合を目指して
同社がポリシーとして掲げるものは「ゼロ歳から一生涯の健康づくり」。
そのため、ヨガを題材とし、ファミリーに焦点を当てた広告戦略が目を引いている。
近年、同社の入会率を見てみると、若年層の占める割合が減少してきたことが分かる。
そこで、若い人たちにもっと足を運んでもらおうと4days短期スクールを開催した。
週に1回ずつの計4回、あるプログラムを体験することができるというものであったが、その結果、参加者のほぼ7割がヨガクラスへ参加したことが分かった。
「ヨガブームは今後も継続すると思います。これまでのフィットネスクラブは、マシントレーニングに代表されるような身体を各パーツと捉える西洋的メニューが中心でした。しかしこれからは、西洋型フィットネスに加えて、身体と心と気のバランスを整える東洋のフィットネスの知恵をプログラム化していくことも大切な要素です」とO氏は語っている。
~ここまで~
ISO9001の品質管理システムがプログラム管理において、役立っていたとの記事でしたが、ここは当時、現場に属していた立場からの見解を、今は時効だと思いますので記します。
このISO9001は、ある程度、型にはまった業務であれば、マニュアル化と運用、改善のサイクルを定期的に実施できますが、店舗運営サービスのような動態的な業務には相性が極めて悪いという印象を持っています。
それこそ、その場その場の対人サービスは、臨機応変な対応が必要であり、マニュアル通りに進むものばかりではありません。
それを文書化しなければならない手間も、変更する手間も実態とはかけ離れやすく、その労力含めとても効果的だったとは思えませんでした。
誌面に飾るような記事は、企画実行者が成功面だけにフォーカスして記載されていることがままありますので、この辺りは読者も鵜呑みにするだけでなく、想像力を働かせる必要があるでしょう。
お読みいただきありがとうございました。