10月18日(火):「個」で捉えるべき観点
来月に開催される「Sports&Wellness Weekカンファレンス2022名古屋」で私が登壇予定のパネルディスカッションに関連した話をもう少しばかり。
今回のパネルディスカッションのタイトルは「トレーナー力を活かした小規模ジムの運営-活かしきれていない「個」・「小」・「地」を活かす、次代の経営」です。
キーワードになっている「小」は規模の大小における意味合いで、小型クラブとしてダウンサイジングすることで得られる「スモールメリット」は先般に説明をしました。
本日は別のキーワードである「個」について取り上げようと思います。
「個」は企業に比べて資本力の弱い個人、いちトレーナーであっても良いクラブをつくることができる、との観点です。
クラブの規模が小さくなることで初期投資は小さくて済むし、昔に比べれば資金調達もしやすくなったから、個人であってもしっかりしたコンセプトを作り込むことで顧客支持を集めるクラブ運営はできると思います。
その一方で「個」のキーワードとしての勘違いや見過ごされている点に触れると、事業を行う活動単位が「個人」であることと、そのトレーナー個人の「個性」が発揮されているか否かは、まったくの別問題です。
仮にクラブで提供しているものが既視感いっぱいの画一的なサービス、オペレーションで塗り固めたものであるならば、「個」が活かされているとは言い難いでしょう。
もし、その人ではなく別な誰かにとって代わってもチェーンオペレーションとして何ら違いが生じないのであれば「没個性」です。
だから、その点は切り分けて考える必要があります。
また「個」において絶対に外してはいけない観点は「お客様」への「個別対応」だと思っています。
私たちでいえばお客様一人ひとりの背景を踏まえて指導、サポートをすることだし、それを人間的な関係のもとでやっていくことが基本的な姿勢になります。
お客様も人間、そこに相対するトレーナーもまた人間であり、「人間対人間」として向き合っていくことが双方にとっての「個」を尊重した状態です。
「個」については個人での開業や運営といった一面的な捉え方ではなく、それ以上に大事な面もあるので、それらを含めて多面的に考えていくのが大切だと思います。
●セミナータイトル
「トレーナー力を活かした小規模ジムの運営-活かしきれていない「個」・「小」・「地」を活かす、次代の経営」
●概要
コロナ禍により、逆転現象がみられている。かつては、資本力のある大企業、大型の施設、都心の駅前立地が、大きく成功するための要件とされていたところがあったが、今は、必ずしも資本力が乏しい個人であっても、トレーナーとしての本質的な能力を備え、たとえ都市近郊の住宅地や地方郊外のロードサイドに立地した小型の施設でも、地域密着ぶりを活かして経営を成り立たせることができるようになってきている。むしろ顧客の立場からみると、こうした「個」・「小」・「地」を活かしたジムのほうが、運動初心者とトレーナーの間にエンゲージメントが醸成されやすく、運動習慣化も達成しやすいという傾向もみてとれる。一トレーナーが、小規模でコンセプトがわかりやすいジムを開発、運営し、サクセスフルに成長していくためのキーポイントを探りたい。
・開催日時:11月11日(金)11時~12時30分
・会場:ポートメッセなごや
セミナーへの申し込みは以下、SPORTECのサイトからお願いします。
Sports&Wellness Weekカンファレンス2022名古屋
ポートメッセ セミナーⅡ 【A-7】