6月12日(水):サービスの品質マネジメント④
ここ最近は私が担当しているフィットネスクラブ・マネジメント技能検定のテキスト執筆に関連したことを記しています。
一昨日はサービスの品質管理について説明し、連携ダイアグラムのサービスブループリントを用いることでサービス(顧客体験)の見える化の話をして、昨日は顧客満足の見える化に触れました。
これら顧客体験や顧客満足を見える化することで、サービスの定義や測定につながり、そこから改善を進めていく道筋が出てきます。
一方でサービスや顧客側だけの問題ではなく、それを提供する内部側にも目を向ける必要があります。
なぜなら、サービスは人を介して提供するため、働き手の心理や組織全体の文化もそこに影響を及ぼしてくるからです。
この組織内部とサービスとの関連について、サービス・マーケティングの分野で顧客満足を高めていくための体系的な手法としてサービス・プロフィット・チェーンがあげられます。
ここでのポイントは顧客満足の起点が従業員満足に置かれている点です。
高い従業員満足がモチベーションや組織へのロイヤリティとなり、それが高いサービス品質へとつながっていく、との考え方になっています。
そのため、組織全体として顧客志向の態度を明示し、従業員満足も含めた組織文化を醸成していくことが、ひいては顧客満足につながる、との考え方です。
サービスにおける品質マネジメントを考える際にはそのような全体視点をもって取り組んでいくことが肝要だと思います。
またサービスの品質管理のために顧客満足の見える化をしたように、ここでも働き手である従業員満足を見える化をすることもひとつです。
前回はお客様満足度の見える化としてNPSの説明をした通りですが、それを応用したものにeNPSがある。
こちらは従業員に対して「働く場所として、この会社(クラブ)を勧める可能性は、どのぐらいありますか?」との問いに置き換えて、満足度・推奨度をスコア化したものになります。
以上、参考までに。