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7月31日(水):互酬性のある現代的ローカルコミュニティへ

先週の7月25日に開業した商業施設「ゆめが丘ソラトス」(相鉄線のゆめが丘駅)がローカルライフを標榜して施設内にシェアキッチンや交流スペースなどを設けてコミュニティを重視していることから、最近は関連したことを記しています。

地域のシンボリックな場所に開かれた空間があって、住民が様々なことに活用できる自由度があれば、地域に関連した様々な人や、コトを呼び込むことができ、コミュニティの創発につながります。

だから、まずは「場(設備・空間)をつくる」ことが大きなきっかけになるのですが、昨日も記したようにハード面の場に加えて、どのように運用していくか、といったソフトの面が大事になることを記しました。

そして昨日はソフト面について、「ローカル」を前提にしたコミュニティの入口として土着性の強い「子ども」や「高齢者」を切り口にして基盤をつくり、そこから現役世代のつながりへ広げていくアプローチに触れたと思います。

本日はこれに付随してコミュニティの形成原理に目を向けてみます。

先の形成原理にフォーカスをすると次のような農村型コミュニティと都市型コミュニティに大別されます。

●農村型コミュニティ
・特質:同心円を広げてつながる
・内容:共同体的な一体意識
・性格:情緒的
・関連事項:共同性

●都市型コミュニティ
・特質:独立した個人としてつながる
・内容:個人をベースとする公共意識
・性格:規範的
・関連事項:公共性

※(書籍「コミュニティを問い直す」より)

ローカルのコミュニティを志向する場合には、先の2分類でいえば農村型コミュニティの要素を、より多く含む面が出てくるといえるでしょう。

一方で今回は村のような自治のコミュニティではなく、商業施設内の開かれた場を使いながらのローカルなコミュニティであることを考えれば、都市型コミュニティの要素もそこに入り込んできます。

また昨日に触れたように土着性の強い子どもや高齢者のコミュニティであれば、農村型コミュニティの色合いが少し強くなるでしょうが、こと現役世代のコミュニティとなると都市型の側面もありますね。

その意味で此度のゆめが丘ソラトスのケースでは、それぞれの性格が入り混じった形になっていくのだと思います。

ただ、いずれの要素であっても共通するのは互酬性のある気持ちよい場になっていくかどうかです。

前述した書籍「コミュニティを問い直す」では「公」ー「共」ー「私」について次のように示唆しています。

「公」:政府=「再分配」
「共」:コミュニティ=「互酬性」
「私」:市場=「交換」

互酬性としての贈与と返礼、もっと平たく言えば「お互いさま」の気持ちで助け合い、支えあうような関係、行為が浸透した状態です。

このような性格を帯びたコミュニティになっていけば健全だし、現代的なローカルコミュニティの一例になっていけば良いんじゃないかと思っています。

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