4月19日(火):フィットネスクラブ・マネジメント技能検定 インターミディエイト第4章解説⑥
現在は「フィットネスクラブマネジメント公式テキスト」の最新版「Vol3」のインターミディエイト(中級)、第4章「営業管理」についての解説を進めています。
前回は1節の「販売管理」に関連して各種営業施策のマネジメントについて触れましたが、今回はそれと関連したKPIについての解説になります。
以下、該当箇所のテキストの文面です。
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各クラブでの営業目標設定にあたってはクラブ運営の全体像を捉え、システム思考のもとで目標設定をしていくのが望ましい。
考え方の枠組みとしてKGI(=重要目標達成指標)、CSF(=重要成功要因)、KPI(=重要業績評価指標)の3点を踏まえて考えると良い。
フィットネスクラブでいえばKGIはクラブ全体の方向性、戦略目標としての目標会員数、在籍力の設定等にあたり、CSFは目標達成にあたって重要となる管理項目としてのマーケティング、セールス、リテンション(会員定着)、KPIはKGI実現のための行動指針、時系列での実績などの測定ができる小ゴールとして各種営業施策における着目計数がそれに当たる。
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前回に解説した週次会議では各種営業施策のKPIを確認していくことになります。
ここではフィットネスクラブにとって重要なリテンションを例にとってみていきましょう。
入会されたお客様の継続、定着について考えるには入会から時間軸で初期定着、中期定着、長期定着と捉えていくのが一般的です。
当然ながら初期定着がなされていないのに、その先の中期、長期への継続は難しいので、まずクラブとして取り組むべきはお客様が入会されてから3ヶ月、あるいは6ヶ月ぐらいまでの入会初期での定着になります。
こちらについては多くのクラブで入会から3ヶ月目ぐらいを目処にした初期定着プログラムを展開しているクラブが大半です。
そのため初期定着のためのKPIとしては初期定着プログラムの一環で実施するオリエンテーションやカウンセリングの受講率がそれに当たり、これらを定量的に確認していくことがひとつです。
大事なことはクラブとしてお客様の定着や目指すべき状態を定義し、そのために取り組む事柄を明確にして、その進捗や成否が計測できるように着目する計数を決めておくことにあります。
なお私たちの運営する小型のスクール制クラブでは、リテンションとしてお客様の来館回数や成果の有無、また有料プログラムの受講状況などをスコア化して捉えるなどしていて、ここはクラブの考え方が反映されるところです。
今回はリテンションを例にしましたが、これをマーケティングやセールス、あるいは各種売上に関する項目で同様にKPIを設定してそれらの確認していきます。
以下、フィットネスクラブ運営でマネジメントすべき代表的なKPIを記しておきます。
・見学:見学者数、見学入会率、当日・後日入会率、スタッフ個人別入会率
・体験:体験者数、体験入会率、当日・後日入会率、スタッフ個人別入会率
・紹介:紹介者数、紹介率
・復会:復会者数、入会者に占める復会の割合
・入会者、見込み客の認知媒体
・入会者、在籍者、退会者等の属性
・リテンション:初期定着の各種数値(オリエンテーション、カウンセリングの受講率、来館状況など)、レッスン参加状況、成果の有無、イベント参加など
・会員単価
・LTV(ライフ・タイム・バリュー)
・各種有料プログラム:売上、リピート率、体験予約率、購入率など
・シフト:時間数、MH数
・エネルギーコスト:水光熱の使用量など
クラブのモデル、目指すべき方向性によって何をKPIに据えるかが変わってきますが、これらは外さずに見ておくべき点だと思います。
週次会議の進め方、マネジメントについては次回以降でもう少し補足の説明を加えます。