「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論322」
みなさん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第2号(2002.9.25発行)「インストラクターの時代」13~※名称等は当時、一部文章省略
3.顧客価値創造時代の商品・サービス
8)ツアー
フィットネスクラブのスクールやグループプログラム、サークルなどで知り合った会員同士が求めるもので最も需要が高いのは「旅行」だろう。
セントラルスポーツのトラベル事業部は年間相当数のツアーを受け付けている。
同事業部の年間売上はおよそ7.5億円である。
ただ、ここにもインストラクターの存在は欠かせない。
ホノルルマラソンのような海外ツアーから、お花見日帰りツアーのような小旅行まで、インストラクターの企画力・提案力や普段からの関係性で参加者数は大きく違ってくる。
9)スクール
「スクール」は商品ではないが、あえて挙げておく。
フォーマットとして再び見直されてきているからだ。
数年前、多くのクラブで「スクールのクラブ化」が図られたが、顧客にとって不合理な側面もあった。
例えば「何回来ても良いと言われていも、結局、週に1~2回しか行けない。それなのに価格は割高、指導のクオリティも低い。」といった不満だ。
また、中高年層が増えている昨今、「スクールの方が参加しやすく、続けやすいのでは」というクラブ関係者の声もある。
現に成人のスイミングスクールを新設、再設したり、テニススクールに力を入れ、業績を向上させ始めているクラブが出てきている。
10)セミナー・イベント・情報媒体
ここで述べるセミナー・イベント・情報媒体は、お客様が自然に運動に対して参加意欲を持つような仕掛けだ。
あるいは、ずっと「このクラブにいたい」と思う楽しい雰囲気を作る仕掛けと言ってもよい。
有料のものも無料のものもある。
定着率が高いクラブほど、こうした仕掛けをたくさん持っている。
そしてその仕掛けの1つひとつが実にクリエイティブで、楽しいものとなっている。
マネジメントの分かるインストラクターがそれらを創り出しているのである。
~ここまで~
前回に続き、この8)~10)の内容は、20年間でどちらかと言えば、全体として削られてきた分野だと思います。
ちなみに「スクールのクラブ化」とは、主にスイミング(一部ではテニス)においてスタジオプログラムのように月会費いくらいくらで、利用可能時間帯のプールプログラムが受け放題になりますよという施策です。
これはある意味、スクールの良さを思いっきり取り除くことになりますので、一時期は会員数がどっと増えても、いずれは陳腐化していくべき運命にあったと今であれば言えます。
当社はこれらの8)~10)の持つ価値観を大切にしておりますし、ニューノーマル時代において再び脚光を浴びてもいますので、効率性を追求し過ぎた結果、失われたものの一つとアバター近藤は考えます。
本日もお読みいただきありがとうございました。