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12月17日(日):ラーニングコモンズと機能的ハイブリッド
昨日は日経新聞の記事から私立の中高一貫校などの図書館で進む「ラーニングコモンズ」のことを取り上げましたが、本日もその続きをもう少しばかり。
記事内の学校におけるラーニングコモンズでは、従来のような書架や静かに過ごす集中エリアに加え、人工芝が敷かれて靴を脱いで集まれる場所、様々な形や色、デザインの椅子に囲まれたテーブルやソファなど会話用のスペースのほか、電子黒板やホワイトボードを備えた一角も設けられています。
それによって黙って読書や自習、調べ物をする場に留まらず、自習やグループ活動、くつろぐ目的で集まるなど、生徒たちが多様な目的で訪れているそうです。
これは従来の図書館が持っていた知との出会い、学びの場といった役割に加えて、対話を通した知の結合や、人と人がつながっていく機会の創出へのアップデートといえます。
昨今はあらゆる面が個人化をしてきたり、人とつながる結節点がオンラインに移行した面もあったので、こうしたリアルの場に共有地・共有財としてのコモンズがあることの意義は大きいですね。
今回のラーニングコモンズを別な観点からみると、それは「機能的なハイブリッドな場」として捉えることができます。
これまで場に対して用いられてきた「ハイブリッド」の意味合いは、「リアルとオンラインの併用」を指す物理的な次元です。
これに対して今回のラーニングコモンズは、もともとリアルにおいて別々な空間で行われていたこと(機能)を一つの場につなぎあわせた側面があります。
具体的には調べる、学ぶための従来的な図書館の機能に対して、対話をしたり、人とつながるための適度に閉じられた場とオープンな自由空間の機能が付加されています。
また記事で取り上げていたラーニングコモンズには生徒が使えるキッチンのような場もあるとのことで、それによってカフェ的な機能も組みこまれた形です。
以前であれば学校において図書館とキッチンという場は別な所に置かれているもので、およそそれがひとつの場に取り込まれることはなかったはずです。
そのような別々の役割を果たしてきた機能がひとつのところに組み込まれている状態が機能的ハイブリッドにあたります。
異なる機能を組み合わせれば場の魅力は高まるし、それぞれの機能を必要としていた人が必然的にそこで交差することになるから、新しい何かが生まれたり、それを媒介するなど創発が起きやすくなりますね。
こうした別々な機能を結びつける機能的ハイブリッドは機能と人が交差することでコミュニティが生まれていく余地も出てくるので、私たちも自分たちの事業に結び付けて考えられることだと思います。
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