6月15日(水):ノウハウを活かしたリベンジ開発
先般に日経MJで取り上げられていたのは魔法瓶などの飲料ボトルを手掛けるサーモスが発売した炭酸飲料対応ボトルです。
近年は無糖を含めた炭酸飲料の市場が拡大していることもあり、商品開発に至ったとのことでした。
また同社では20年ほど前に炭酸飲料対応ボトルを発売したものの、当時は4年で販売停止になっており、今回の商品開発は言わばリベンジの側面もあったようですね。
私は普段から炭酸飲料を飲まないのでよく知りませんでしたが、そもそも論として通常のステンレス製魔法瓶では炭酸飲料を入れて使用することがNGなのだそうです。
これは炭酸ガスの圧力によって蓋が開かなくなったり、蓋が飛んでしまったりするリスクがあるからだといいます。
だから炭酸に対応できるように特殊な構造で専用化したものが必要で、今回の商品開発には同社のスープジャーの技術を応用したそうです。
スープや温かいみそ汁などを持ち運ぶスープジャーは、内容物の温度変化に伴って圧力が変化するので、それに応じられるようなケアのノウハウが詰まっているとのことです。
その他、ボトル洗浄などの日常的な使い勝手の良さや消耗品の耐久性まで様々な工夫を凝らして商品が出来上がり、発売以降は順調な立ち上がりだと触れられていました。
同記事を見ながら感じたことは自らの事業領域で固有のノウハウがあることの強さです。
ある部分での確たる知見、技術があると、そこからの他の商品群への横展開で応用が利きますからね。
先のようなモノ作りであれば有形のノウハウですが、私たちフィットネスクラブのようなサービスを主体にした現場では、これが無形のノウハウ中心になります。
無形のノウハウは、ある現場で共通認識になっているものもあれば、個人に宿るものまでいろいろです。
いずれにせよ武器になりえるノウハウを積み上げていくことは私たちフィットネスクラブ運営の現場にとっても大事なことだと思います。
さて、当の炭酸飲料対応の保冷ボトルでいえば、タイガー魔法瓶の「真空断熱炭酸ボトル」が先行していて年間10万本の販売目標を3ヶ月で達成するなど、日経MJの2022年上期ヒット商品番付の前頭にもランクインしています。
それだけに炭酸飲料の市場の拡大と合わせて専用ボトル市場も着実に広がっていきそうです。