私は森有正さんの著書「いかに生きるか」が大好きです


森有正さんの「いかに生きるか」はもう絶版になってしまっていますが、とても良い本です。復刻されてもよさそうな本と思います。

森さんは神学者…になるのですか…、臨床心理の先生ではないですけど…、っていうか、ある人の「肩書き」なんぞhere and now原理主義者みたいな私にとってはほとんど無価値と思っているのですが、とにかく、厳密な意味で、私とはやっていることが違ったとしても、私はこの「先生」をすごくすごく尊敬している。

この本には、人として…というか「日本人」として…ですかね…、とても大事なことがいっぱい書かれています。心の持ち方っていうか。
「経験」のこと。

講演をまとめた本ですので、話口調で読みやすく、わかりやすいように見えます。
で、このような一見わかりやすいと感じる本というのは特に注意しなければならない。要するに、パッと読んでわかった気になる自分を許すわけにはいかないってことだ。簡単に見えるのは自分が勝手にそう見てるだけや。
(理解したつもりになっているだけの「知的馬鹿(intelligent stupid)」…そんなイキってんのばっかです実際

私はこの本を繰り返し読んで、何かを再確認するようにしている。
すごく大切なことが書いてあるから…。
それはわかる。

実は私は、人の心を勉強するずっと前からもともと「キリスト教」にはとても関心があって、資格を取得してからしばらくしたある時に、もう一回大学へ行こうか…「神学」を勉強しようかと、再び大学受験を真剣に考えたことがあるくらいです。
そういったことなので、この本は先生を通してキリスト教にも軽く触れることができてとても勉強になる。

(余談ですが、私は90年代半ばにスペインのCamino de Santiagoを少しだけ歩いたことがあります。フランス側から山越えてスペインに入りました。実際にあの道を歩いたことがある日本人はこれまで何人くらいいるんやろう)

この本の最後の方ですが、「死・罪・不安」p. 172というところに人の「罪」のことが書かれています。

今のところここが私には一番わかりにくいところ。

一つの経験というものが充足しようとする時、他の経験を傷つけてしまう、他の経験を滅ぼすということも起こる、とあって。
「私はよく明け方に夢をよく見るのですけれども、明け方というのはいちばんよくないのです。何とも言えない夢を見て非常に寂しくなります。そのときに私の心をいちばん刺すものが、そういう罪の意識です。(中略)すべての方が持っていると思うのです」p.181

これなんです。
ここが根幹と思う。

実際に先生にお会いして、できれば詳しい説明を是非ともお伺いしたかったですが。
私にはなかなか深いところまで理解しにくいです。

でも何かこの…「罪」というものが、いつも感じている私の…「苦悩」(まぁ私のは安いですが…)に、近いものがあるように思えてならないんですよ。


なんとなく、伝わったら、それでいいです。

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