Judith Hermanの「心的外傷と回復」についての私見
この本は現行です。何理由かわからないが、過去(絶版)バージョンに比べて現行ものはサイズが小さくなっている。
小さくて分厚い本は開き癖が付きやすいのでやめてもらえないですかねマジで。なんなんだこれは。
内容は、重めです。精神医学の範囲。ストリートで軽く言われるような口語的トラウマのようなものが載っているのではなくて、病院で扱われるような重い範囲の内容です。とても大切なことがたくさん書かれている。
(重め、と言っても、ストリート的トラウマを考える上でももちろんとても参考になる。当然ながらそこは「スペクトラム」)
専門とする人には必読でしょうこれ。言葉を読むことに苦がない人で、心理学に興味がある人にも是非読んでもらいたい。
(質の高い邦訳本に出合うと、原語で読めたらどれだけ良いかとつくづく思う)
この本の著者は色々「知っている人」と感じます。被虐待者が社会という場でさらに罪人扱いされ、落ち度はお前の方に(被虐待者の方に)あるとされるってのが最高です。
ほんま、この悲惨さ。…潜在的な暴力。
ほんまクッソ馬鹿馬鹿しい。
私は個人的にこのことを「瑕疵」と呼んでます。
(瑕疵のなすりつけ。「心理的瑕疵」という言葉はすでに別の分野で使用されているようだが。さらに社会が被虐待者を傷つけてきます。社会によるvictimise)
次に、私がいつも大衆の目と世間の理解の具合の参考にするために使っている、Amazon.comのレビューを見てみる。
この本…
Trauma and Recovery: The Aftermath of Violence--from Domestic Abuse to Political Terror(2022)は、Amazon.comでは2800件以上のratingで4.7です。
一方Amazon.co.jpはどうか…。
今のとこ(2024.11時点)、たった4件で…4.7。
高評価であることは間違いが…。
すっくな。
(当然ながら、英語を母国語とする人たちはそもそも日本人よりも多いってことが前提としてありますけども、それでも.comと.jpを比較することは無駄ではないと私は考えています)
まぁあれですね。
この国(日本)では、虐待とはどのようなものか、またそれがその人を一生涯にわたって破壊してしまうかもしれないってことは、まだまだごく一部の人しか知られていないのでは。
(口ではあーやこーや言いますが…立派に)
私は虐待ってのは核兵器よりも恐ろしい悪魔的行為と考えている。
なんとなく、伝わったら、それでいいです。