エティエンヌ・ド・ラ・ボエシの「自発的隷従論」について



「たしかに人間の自然は、自由であること、あるいは自由を望むことにある。しかし同時に、教育によって与えられる性癖を自然に身につけてしまうということもまた、人間の自然なのである」 p. 43

「よって、次のように言おう。人間においては、教育と習慣によって身につくあらゆることがらが自然と化すのであって、生来のものといえば、もとのままの本性が命じるわずかなことしかないのだ。と。したがって、自発的隷従の第一の原因は、習慣である。だからこそ、どれほど手に負えないじゃじゃ馬も、はじめは轡(くつわ)を嚙んでいても、そのうちその轡を楽しむようになる。少し前までは鞍をのせられたら暴れていたのに、いまや馬具で身を飾り、鎧をかぶってたいそう得意げで、偉そうにしているのだ。」p. 43-44


この本もまた私にとってすごく大事な本です。

頭の中にはこの本のことがいつもどこかにあります。
警告、のように…。

この本を音楽で例えたら、ハードコアPUNKという感じがしている。みなぎってくる骨と筋肉。頬っぺたに全力ビンタ。明快さ。ストレート。sleek感。

この本が好きではない人とは趣味が合いそうにない。

1人1人、自発的に読むようにすることが良い。
(誰かからおすすめされたから、とかじゃなくて)

心理を勉強していく上で、業界を勉強していく上で、とても大事なことが書かれている。
しばらく生きていたら、この本がなぜ大事なのかはすぐにわかるだろう。

けども…

読んでいると何か「怖さ」みたいなのも同時に心に生じてくる。感覚的に、これは「悪意のある者に利用されたら」とんでもないことになりそうだということにも気づき始める。

それぐらいこの本の主張は曇っていない。
力強い。

表紙ヘロヘロの文庫ではなくて、薄くていいから重厚なハードカバーで作ってもらいたかった。それが残念です。



なんとなく、伝わったら、それでいいです。


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