John Bowlbyの「母子関係入門」(邦題)に関して①



私は前にも少しだけ他の記事で触れましたけども、臨床での基本姿勢は「here and now」です。here and nowは最もパワフルで純粋で、曇りがない。それは大学院を出てから時間が経っても変わっていないですし、現場でも大事なことを繰り返し確認するだけです。
(ただし、所属している組織側から苦しめられ続けることになる。最大の問題はそれです。ほとんど人間が現実に隷属するのを見てきた。それが現実だ。でも他よりもちょっと勇気がある人は、現実に落ちた者たちと戦い続けなければならない。今勉強している若者たちに言いたい。それは決して忘れるなよ)

で、こんな私みたいな者でも非常に大事なことを言っている人がいると思うのはWinnicottとBowlbyのお二人です。業界にすごい人はたくさんいますけど、私はWininicottとBowlby「と、それ以外」という程このお二人のことは尊敬している。

ウィニコットの言っていることは難しくてわかりにくいところがあって、権力を持ったインテリ馬鹿みたいな人たちから崇拝の対象として崇められている(グル化している)ので、その点ではかなり好みではないが、そんなでも関わらずウィニコットのことは大事と思う。
(ウィニコットを勉強するのは一生かけて行いましょう)

Bowlbyなんですが、ウィニコットに比べたらより我々に近く、現世に降りてきた人のような感じです。つまり、ウィニコットよりもボウルビィの方がビギナーウェルカムな感じがある。

私はわかりやすく話す人が好きだ。
(実際にそういう人は大抵優れている)

まず、原題は「the making and breaking of affectional bonds」です。当たり前と思うが、売りたかったからなのか「母子関係入門」という、かえってわかりにくい邦題が付けられている。この題であれば、母子関係の入門に興味がない人は、この本を買わない or 手を出さない、ということになる。

原題の「affectional bonds」という言葉に注目してほしい。「気持ちの結びつき」ですよ。「感情の、情動の、愛するよな気持ちの、言ってしまえば、心の、絆、きずな、結びつき」ですよ。
(affectionは「the feeling of liking or loving somebody/something very much and caring about them」(by oxford dic)です)

そこをまず、原題から知っておく必要がある。

要するに、この本は、人にとって、「すべての人にとって」、非常に大事なことを言おうとしている。

当然ながら邦題の「母子」は含まれます。それではあるのですが、「母子」だけに留まらない、ということ注意することです。




なんとなく、伝わったら、それでいいです。

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