BMIよりも「からだの丸み指数」で分かる健康リスク 〜最新研究が示す心臓病予防との深い関係〜
はじめに:BMIだけでは分からない体型リスク
「BMIは普通なのに、おなかまわりが気になる...」
このような悩みを持つ方は少なくないのではないでしょうか?実は、健康管理において体型を評価する新しい指標が注目を集めています。それが「からだの丸み指数」(医学用語でBRI:Body Roundness Index)です。
この指標は、従来のBMIでは見落とされがちな「おなかまわりの丸み」に着目した画期的な健康指標。今回は、最新の研究結果をもとに、心臓病予防との深い関係についてご紹介します。
最新研究が明らかにした衝撃の事実
中国で行われた大規模な追跡調査(China Health and Retirement Longitudinal Study)によると、BRIの値が高い人ほど、将来的に心臓病や脳卒中などの心血管疾患を発症するリスクが高まることが判明しました。具体的には:
BRIが中程度の人は、低い人と比べて約1.2倍
BRIが高い人は、低い人と比べて約1.5倍
心血管疾患のリスクが高まることが示されました。
BRIとは何か?従来の体型指標との違い
BRIは、ウエストサイズと身長から算出される新しい体型指標です。従来のBMI(体重と身長の関係)やウエスト周囲径単独の測定と比べて、以下のような特徴があります:
体脂肪の分布をより正確に反映
内臓脂肪量との相関が強い
背の高さによる誤差を補正
なぜBRIが重要なのか?
内臓脂肪型肥満(いわゆる「メタボ」)は、以下のような問題を引き起こす可能性があります:
炎症性物質の分泌増加
酸化ストレスの上昇
心臓への負担増加
血管の硬化促進
BRIは、これらのリスクをより正確に評価できる指標として注目されています。
実践的な対策:BRIを改善するために
研究結果を踏まえ、以下の対策が推奨されます:
定期的な運動習慣
有酸素運動(ウォーキング、水泳など)
筋力トレーニング
バランスの良い食事
野菜を中心とした食事
適切な糖質制限
良質なタンパク質の摂取
生活習慣の改善
十分な睡眠
ストレス管理
禁煙・適度な飲酒
まとめ:健康管理の新しい指標として
BRIは、私たちの健康状態をより正確に反映する新しい指標として期待されています。定期的な測定と適切な生活習慣の改善を組み合わせることで、心血管疾患の予防に役立てることができます。
BRIの値が高めの方は、生活習慣の改善から始めることをお勧めします。特に40代以降は、早めの対策が効果的です。かかりつけ医に相談しながら、無理のない範囲で改善を進めていきましょう
参考文献
Yang M, Liu J, Shen Q, et al. Body Roundness Index Trajectories and the Incidence of Cardiovascular Disease: Evidence From the China Health and Retirement Longitudinal Study. Journal of the American Heart Association. 2024;13:e034768.
Thomas DM, Bredlau C, Bosy-Westphal A, et al. Relationships between body roundness with body fat and visceral adipose tissue emerging from a new geometrical model. Obesity. 2013;21:2264-2271.
Rico-Martín S, Calderón-García JF, Sánchez-Rey P, et al. Effectiveness of body roundness index in predicting metabolic syndrome: a systematic review and meta-analysis. Obesity Reviews. 2020;21:e13023.
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