津田総歩

現役の勤務医として日々診療に携わりながら、50代の自分自身も実践している健康管理につい…

津田総歩

現役の勤務医として日々診療に携わりながら、50代の自分自身も実践している健康管理について発信しています。忙しい毎日でも続けられる効率的な筋トレ方法や、科学的根拠に基づいたダイエット法など、医師としての専門知識と実践者としての経験をもとに、皆様の健康づくりをサポートします。

最近の記事

COVID-19ワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種の安全性:最新の臨床試験結果から

はじめにCOVID-19とインフルエンザの両方のワクチン接種をどのようなタイミングで受けるべきか。この重要な疑問に対して、米国の主要研究機関による最新の臨床試験が、科学的な根拠に基づく回答を提供しています。本記事では、2024年11月にJAMA Network Openで発表された研究結果を詳しく解説します。 研究の詳細研究デザイン 試験タイプ:ランダム化プラセボ対照臨床試験 実施期間:2021年10月8日〜2023年6月14日 対象者数:335名 平均年齢:33

    • 制酸薬の使用で要注意!タンパク質の吸収が低下する可能性

      はじめに私たちの多くが胃の不調時に使用する制酸薬。「胃酸を抑える」という働きは、実は思わぬ影響を及ぼす可能性があることが最新の研究で明らかになりました。 藤田医科大学の研究チームが2024年に発表した研究結果によると、制酸薬の使用が体内のタンパク質代謝に影響を与える可能性があることがわかりました。 本文1. 研究で分かったこと 制酸薬を使用している人は、血液中のプレアルブミン値が低下 プレアルブミンは短期的な栄養状態を反映する重要な指標 この影響は年齢や性別、体格

      • 食事の炎症度チェック!あなたの食生活は健康的?

        はじめに毎日の食事、あなたは健康的に摂れていますか?実は、私たちの食事には「炎症を促進する食事」と「炎症を抑制する食事」があることをご存知でしょうか。最新の研究で、食事による慢性炎症が様々な生活習慣病のリスクを高めることがわかってきました。 今回は、アメリカの大規模調査から明らかになった、食事と健康の意外な関係についてお伝えします。 食事の炎症度って何?食事の炎症度(専門用語では「食事炎症指数」)とは、私たちが日常的に摂取する食事が、体内でどの程度炎症を引き起こす可能性

        • 音楽で痛みが和らぐ可能性:最新研究が明かす"お気に入りの曲"の驚くべき効果

          はじめに「音楽には癒し効果がある」というのは、誰もが経験的に知っていることかもしれません。でも、それは単なる気の持ちようではありません。最新の科学研究が、音楽、特に自分の大好きな曲には、実際に痛みを和らげる効果があることを明らかにしました。 今回は、2023年10月に医学専門誌「Frontiers in Pain Research」で発表された、マギル大学の研究チームによる最新の研究結果を中心に、複数のメタ分析や系統的レビューの知見もふまえながら、音楽の痛み緩和効果につい

        COVID-19ワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種の安全性:最新の臨床試験結果から

          【50歳からチェック】片足30秒立てますか? 最新研究で判明!あなたの健康年齢を知る意外な指標

          はじめに「健康診断の数値は正常なのに、なんとなく体力の衰えを感じる…」 そんな50代以降の方々に、朗報です。アメリカの権威ある医療機関・メイヨークリニックの最新研究で、実は「片足立ち30秒」という簡単なテストが、私たちの体の老化度を測る重要な指標になることが分かってきました。しかも、これは高額な検査機器も専門家も必要ない、自宅で手軽にできるテストなのです。 加齢で最も早く低下するのは「バランス能力」アメリカ・メイヨークリニックの研究チームが50歳以上の健康な成人を対象に

          【50歳からチェック】片足30秒立てますか? 最新研究で判明!あなたの健康年齢を知る意外な指標

          1食あたり25gの壁? プロテインの摂りすぎが動脈硬化リスクを高める可能性を最新研究が示唆

          研究の重要性と背景近年、高タンパク質食が健康的なライフスタイルの一部として推奨されることが多くなっています。しかし、マクロファージにおけるアミノ酸を介したmTORシグナル伝達が、虚血性心血管疾患の病態生理に関与している可能性が指摘されてきました。 Nature Metabolism誌に掲載された最新の研究では、タンパク質摂取量と心血管リスクの関係について、重要な知見が報告されました。 研究のハイライト1. 臨床研究からの主要な発見 男女を対象とした段階的なタンパク質摂

          1食あたり25gの壁? プロテインの摂りすぎが動脈硬化リスクを高める可能性を最新研究が示唆

          植物性食品中心の食事で糖尿病リスクが24%も低下!最新研究が明らかにした驚きのメカニズム

          はじめに近年、環境への配慮や健康意識の高まりから、植物性食品中心の食事が注目を集めています。イギリスやドイツ、スイスでは、すでに13-15%の人々が肉を控えめにした食事を実践しているといわれます。 最新の研究で、健康的な植物性食品中心の食事が2型糖尿病のリスクを大きく低下させることが明らかになりました。しかも、その効果は体重管理だけでなく、様々な体の機能改善を通じて得られることが分かってきたのです。 研究からわかった驚きの事実24%もの糖尿病リスク低下 イギリスの大

          植物性食品中心の食事で糖尿病リスクが24%も低下!最新研究が明らかにした驚きのメカニズム

          ビタミンDサプリメントは風邪予防に効果があるのか?

          はじめに近年、ビタミンDサプリメントの健康効果について注目が集まっています。特に風邪などの上気道感染症の予防効果については、様々な研究が行われてきました。今回は、アメリカで行われた大規模な臨床試験の結果から、ビタミンDサプリメントの効果について考えていきましょう。 研究の概要対象者:50歳以上の男性、55歳以上の女性、約15,800人 実験方法:1日2000IUのビタミンDサプリメントを服用するグループとプラセボ(偽薬)グループに分けて比較 観察期間:1年間 主な

          ビタミンDサプリメントは風邪予防に効果があるのか?

          認知機能低下予防に効果的な脳トレと脂肪酸摂取の組み合わせ ─ 最新研究からわかった相乗効果

          はじめに私たちの多くが気にかけている認知機能の低下。特に高齢化が進む現代では、いかに認知機能を維持するかが重要なテーマとなっています。 最新の研究で、日常的な「パズル活動」と特定の「脂肪酸摂取」を組み合わせることで、認知機能低下のリスクを大きく減らせる可能性が明らかになりました。国立長寿医療研究センターなどの研究チームによる最新の研究結果をご紹介します。 研究のポイント1. 2年間の追跡調査で明らかになったこと 対象:認知症のない60-88歳の日本人906名 調査項

          認知機能低下予防に効果的な脳トレと脂肪酸摂取の組み合わせ ─ 最新研究からわかった相乗効果

          高齢糖尿病患者のフレイル予防 - 都市部と地方の違いから見える課題と対策

          はじめに近年、高齢者の健康維持において「フレイル」という言葉をよく耳にするようになりました。フレイルとは、加齢に伴う心身の機能低下により、健康な状態と要介護状態の中間に位置する状態を指します。特に糖尿病を持つ高齢者は、フレイルのリスクが高いことが知られています。 今回は、最新の研究結果から、都市部と地方における高齢糖尿病患者のフレイルの特徴と、その予防対策についてお伝えします。 都市部と地方で異なるフレイルの特徴地方部の方が高リスク 研究によると、地方在住の高齢糖尿

          高齢糖尿病患者のフレイル予防 - 都市部と地方の違いから見える課題と対策

          BMIよりも「からだの丸み指数」で分かる健康リスク 〜最新研究が示す心臓病予防との深い関係〜

          はじめに:BMIだけでは分からない体型リスク「BMIは普通なのに、おなかまわりが気になる...」 このような悩みを持つ方は少なくないのではないでしょうか?実は、健康管理において体型を評価する新しい指標が注目を集めています。それが「からだの丸み指数」(医学用語でBRI:Body Roundness Index)です。 この指標は、従来のBMIでは見落とされがちな「おなかまわりの丸み」に着目した画期的な健康指標。今回は、最新の研究結果をもとに、心臓病予防との深い関係につい

          BMIよりも「からだの丸み指数」で分かる健康リスク 〜最新研究が示す心臓病予防との深い関係〜

          ダイエット効果が男女で違う理由が判明!あなたの体に刻まれた『代謝の設計図』

          はじめに「同じように食事制限をしているのに、なかなか痩せない…」 「友達は食べても太らないのに、私は少し食べただけで体重が増える…」 このような経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか?実は、これには科学的な理由があります。最新の研究で、男性と女性では体内での栄養素の使い方が大きく異なることが明らかになりました。 男女の体は何が違う?最新研究でわかった3つの事実1. 女性は脂肪を「燃料」として使いやすい

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          高重量vs低重量トレーニング、筋肥大・筋力への効果を徹底比較

          はじめに 「効果的な筋トレのために重量は重くすべき?」 「軽い重量でも十分な効果は得られる?」 筋トレを続けている方なら、誰もが一度は考えたことがあるのではないでしょうか。今回は、トレーニング経験者を対象とした最新の研究結果から、この永遠の課題に科学的にアプローチしていきます。 研究概要:何をどう比較したのか? 【研究設定】 対象:トレーニング経験1.5-9年の男性18名 期間:8週間 頻度:週3回 比較条件: 高重量群:8-12回で限界までのセット(70-

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          筋トレの負荷と回数:最新研究が示す効果的なトレーニング方法

          はじめに筋力トレーニングにおいて「重量を上げるべきか、それとも回数を増やすべきか」という議論は長年続いてきました。最新の研究結果が、この永遠の課題に新たな視点を提供しています。今回は、この重要なテーマについて、最新の科学的知見に基づいて解説していきます。 研究が示す意外な事実最近発表された研究では、43名の経験者を対象に、8週間にわたる比較実験が行われました。参加者は以下の2つのグループに分けられました: 重量漸増グループ:同じ回数で重量を増やしていく 回数漸増グル

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          お口の健康が寿命を左右する!最新研究が明かす衝撃の事実と対策法

          はじめに 高齢者の健康において、歩行や筋力の衰えが注目されがちですが、実は「お口の健康」も命に関わる重要な問題であることが、最新の研究で明らかになりました。京都・亀岡スタディによる11,374人の高齢者を対象とした大規模調査で、口腔機能の低下(オーラルフレイル)が、身体機能や心理面の衰えとは独立して、死亡リスクを高めることが判明したのです。 オーラルフレイルとは?オーラルフレイルとは、お口の機能が加齢とともに衰えていく状態を指します。具体的には: 噛む力の低下 飲み込

          お口の健康が寿命を左右する!最新研究が明かす衝撃の事実と対策法

          【最新研究】定期的な歯科健診で介護費用が年間約11万円も節約できる!

          はじめに「歯医者は痛くなってから行けばいい」 そんな風に考えていませんか? 実は、定期的な歯科健診には、想像以上のメリットがあることが最新の研究で明らかになりました。なんと、予防的な歯科受診をしている高齢者は、8年間で約11万円もの介護費用が節約できるというのです。 この記事では、日本老年学的評価研究(JAGES)の最新の研究結果をもとに、なぜ定期的な歯科受診が重要なのか、詳しくご説明します。 研究結果が示す衝撃の事実 研究の概要 対象:65歳以上の自立した高齢

          【最新研究】定期的な歯科健診で介護費用が年間約11万円も節約できる!