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ストレッチするけどね…

「身体が硬いからじゃない!」
ケガの原因をそういうヒトもいます。よく医者から言われることですよね。
痛くて診察を受けにいったけど、「身体が硬いから」と一蹴された。そんな話を聞きます。今日は伸ばそうとしても伸びない筋肉の話を
伸びない話なので、手短に…

筋肉を収縮‐弛緩する仕組み

筋肉を伸ばす・縮める。動かすために身体のしくみをいろんな角度から見てみたい。

筋肉はアクチン・ミオシンといタンパク質の滑走によって伸び縮みすることが言われています。筋肉内の話ですね。しかしよくできています。タンパク質がスライドすることで、実質長が変化するという仕組み。
長さが変わると筋肉によって出る力が変わるので、チカラの入りやすい筋長があるのかもしれないですね。その角度ばかりトレーニングすると、周囲の関節の動く範囲を限定してしまいます。以前、アームレスリングの選手(自称日本で2位と言われていましたが…)をリハビリさせて頂いたことがあります。肘の内側の痛みで、筋肉の付着部の炎症という診断でした。これだと、確かに「ストレッチ不足」なのかもしれません。同じ筋の長さばかりでトレーニングする”ミスユース”なのか、競技特性として捉え、セルフケアのターゲットを整理すべきだったのか。
何はともあれ、ある筋肉を硬くして使う習慣は、小さいころから習慣づけされるように感じます。こんな感じの身体の硬さ。多くないですか?

もも裏(ハムストリングス)が硬い小学生

タイトハムストリングスです。これって、単に筋肉が硬いことが問題なのか。それとも筋肉を硬くする何か他の要因があるのか…

関節

関節を扱うセラピストはよくする話。関節がうまく動いてないことで、周囲筋の筋緊張が高くなる現象。臨床ではよく経験することです。身体硬いのに筋肉をストレッチしないで、柔らかくなる!!
関節機能異常からくる”スパズム”と表現することがあります。
私個人的な感想ですが、何がスパズムかといわれると、よくわからないところがありますが、徒手で関節を動かしてみて、動きにくい不具合があることは、臨床経験からわかります。それを改善できたときに、筋緊張が変化することも十分理解できます。しかし、「これがスパズム!」という確信には至っていません。目に見えないからですね。
でも筋肉の状態が変化することはよくある話ですし、臨床でセラピストが徒手にて操作するメリットはここにあると思っています。現象からすると、筋肉が原因ではなく、関節の問題なのかもしれませんね。あるサッカー選手の話。機会があり、シーズン通してケアを担当させてもらいました。腰椎、骨盤、股関節。関節機能異常が多い選手でした。試合をして、ケアして試合をしてケア。徐々に周囲の筋の張りが出なくなっていきました。プレシーズンマッチのシーズン終盤。シュートからのフォロースルーでの姿勢。ずいぶん可動性が増しています。ダイナミックに動くことができているということは、筋・関節の運動器としての機能は上がっているのか。

ダイナミックな可動域の拡大

神経

筋肉内には、筋の長さ・引っ張り強度をモニターしているセンサーがあります。筋紡錘といわれるセンサーが筋線維に直列に存在し、引っ張られた感じの情報を脊髄に送ります。反射的に縮める命令を受け取ることを脊髄反射といいます。”単シナプス反射”はこのことですね。
脊髄側に伝える神経線維を”Ⅰa 線維” ”Ⅱ線維”があり、前者は長さの変化速度と変化量を、後者は筋の長さの増加の情報を伝えます。その情報を元にα線維、あるいはγ線維によって伸ばされた筋を縮めようとして働きます。
ざっくりな説明になりましたが、もし筋肉を縮めようと刺激する神経が過敏になっていたり、異常をきたしていたとしたら、その神経線維から支配されている筋肉は伸びるんですかね。仮に伸びたとしても、日常生活上の身体活動で筋肉の使い方が適切でない状況を産むとしたら…

腰の話

ちなみに私のハムストリングス。
なかなか伸張性が低下してます。
詰めてストレッチをすると、わりと伸びて来るのですが、
3日坊主の私のこと。
ストレッチの習慣が付かず断念。
すると、また硬くなる始末。
腰のレントゲンみてみると、こんな感じ…

腰椎椎体の前方がつぶれて…

圧迫骨折した?と、過去を振り返ってみたくなるほどの変形。
座骨神経痛らしき痛みも時々。これって、神経症状。
ハムストリングスが伸びない原因か?
腰椎椎間板ヘルニアの方も伸びにくいですよね。
明らかに髄膜刺激症状なんでしょうが。
構造上、何かが神経を圧迫しているのであれば、そうでしょうが、
腰が悪く、画像上もそのような神経の圧迫がなくても同じように伸張性の低下は多いように感じます。

まとめ

筋肉が伸びないからストレッチ。
そんな短絡的は話ではないようです。
動作習慣や器質的な原因。はっきりしないが、その傾向がある身体をあるでしょう。
表出している現象をしっかり解釈して治療方針を決定できればいいですね。
詳しくは、臨床力アップ塾でm(__)m


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