田中 一 タイセイヨウクロマグロ研究所

ポルトガルの海(カディス湾)で、定置網漁により獲れるタイセイヨウクロマグロで、人々を幸せにする。/ポルトガル在住:定置網漁師

田中 一 タイセイヨウクロマグロ研究所

ポルトガルの海(カディス湾)で、定置網漁により獲れるタイセイヨウクロマグロで、人々を幸せにする。/ポルトガル在住:定置網漁師

最近の記事

なぜ漁師が情報発信を始めたか?

理由を正直に話します。 「私達がポルトガル・フゼタ沖の定置網で獲っている、タイセイヨウクロマグロ(本まぐろ)を高く売りたいです。(程よく言うと、多くの人に届けたい)」 生産量は増え品質で差別化できなくて困っています。 ちょっと、説明します。 年々、タイセイヨウクロマグロ(本まぐろ)の資源量は増え、それに伴い、最大漁獲可能量(TAC)も増え、各国漁獲量(QUOTA)も増えています。 2020東大西洋・タイセイヨウクロマグロ漁獲可能量:36,000トン 2020ポルトガル

    • ポルトガルでの漁師人生

      もう、かれこれ5シーズン目となった。 2016年、ポルトガル南部アルガルベ地方での漁師人生が始まった。 漁法は定置網。 主要漁獲魚種はタイセイヨウクロマグロ(本まぐろ)。 外国で漁師というと少し大袈裟な感じがするが、やっている事は日本にいた時と何ら変わらない。 毎日、朝起きて沖に行き操業をする。 漁師の生活パターンは世界共通で、その理由も分かりやすい。 朝の数時間は、1日の中で1番、海が穏やかな時間で、日が昇り、午後になると風が吹いてくる。 この自然現象が世界共通な以上、自

      • 漁の倫理

        漁の定義:漁(いさり、りょう)とは、人間がさまざまな漁具を用いて、水産資源を捕獲する行為のことである。また、さまざまな漁具の種類、用法によって類別される漁の方法のことを漁法(ぎょほう)という。 "Wikipedia抜粋" なぜ漁をするのか?人が生きるための行動であり、それ以外の理由はない。 実際の漁:”漁”をすると言う”実際”の行動をしてみると、”人”として担うべき責任が少しづつ、わかる様になってくる。 生物が生きるために生物を殺す行為が”漁”だから。 人は水産生物が捕獲

        • 漁師として、最も大切な事を学んだ3年間

          2012年夏に漁師人生が始まった。 サクラエビ漁・シラス漁・アカザエビ漁・ヒラメ漁を3年間(3シーズン)をもって卒業した。 良い船主・先輩漁師に恵まれ、色んな事を学んだ。 その中でも、漁師の基本である。 ”魚を獲るのが楽しい” この部分を毎日の漁の中で学んだ。 学んだというより、実際にすごく楽しかった。 そう!! 毎日、ワクワクして沖へ向かった。 今日はどんな1日が待っているかなと。 そんな毎日の中。 そんな人間関係の中。 卒業は苦渋の決断でした。 面倒を見てくれてい

          過去の経験が繋がった瞬間

          毎日がつまらなかった。 毎日会社に行くのがイヤだった。 給料も安いし、ボーナスもない。 おまけに、朝早い(3時出社)。 そう、社会人になり水産会社に勤めていた日々。 この経験が生かされるとは思ってもいなかった。 しかし、 自分が夢中になれる仕事を見つけると、その感覚は一掃した。 水産会社での経験が生きることになる。 水産会社では、水産物の流通の内部まで見る事ができた。 嫌々ながらも仕事をし、この部分を学んでいた。 漁師になり、すぐに感じた。 漁師として自分達の商品であ

          さぁ、漁師になって初回の給料日。

          覚悟はしてましたよ。 3K(きつい・汚い・かっこ悪い)+1K(稼げない)があったから。 船主から、半人前からのスタートだと言われ受け取った給与袋(現金支給)。 10万円・20万円・30万円・40万円・50万円の厚み、重み。 知ってますか。 サラリーマン時代は銀行振り込みでしたので知りませんでした。 お金の厚み・重み・感触、全て。 ここで、簡単に漁師の給料システムを紹介します。 ↓ 漁師の給料システムここで説明するのは基本的なシステムです。 (漁業によって異なります)

          さぁ、漁師になって初回の給料日。

          ついに見つけた、夢中になれる仕事。

          社会人になり探していた。 夢中になれる仕事を。 今までの人生の中で、私が夢中になれた事と言うと、学生時代に遡る。 高校・大学と、アメフト にのめり込んだ。 毎日、アメフトの事しか考えていなかった。 (そんな事をしていたら、大学を一年留年する事になってしまった) 何かに夢中になれる事が何よりも楽しかったし、価値がある事と知った。 社会人になり、夢中になれる事がまるでない。 同期からの誘いもあり、東京で就職しクラブチームに入り、アメフト をする事も考えた。 けど、過去の自分に

          ついに見つけた、夢中になれる仕事。

          いよいよ、3Kイメージの漁師人生開始。

          世間の漁業・漁師の仕事のイメージは3K。 ・きつい ・汚い ・かっこ悪い 私もそう思っていた。 初日はドキドキしていた。 どんなきつい事が待っているんだろうと。 しかし、やってみてスグに分かった、このイメージは偏見だったと。 実は、 ・価値がある ・キレイ ・かっこ良い の3Kだった。 人間が自然から何かを生産する事そのものに、何よりも価値があった。 海から水揚げされた直後の魚介類は、何よりもキレイだった。 みんなで助け合って働く姿は、何よりもかっこ良かった。

          いよいよ、3Kイメージの漁師人生開始。

          なぜ漁師になったのか?

          大学卒業後、当たり前の様にサラリーマン(社会人)になった。 勤先は、水産会社。 特に、これといった目的はなかった。 唯一あるとすれば、金を稼ぐ。 3年が経った頃、副社長と口論になり会社を辞めた。 その後、副社長は横領などで役員解雇となった。 無職生活の始まり。 何もやりたい事がなく、ドン底だった。 自分には、何もなかった。 何かに没頭したい。 無職で行く当てもなく、たまに、漁港に行き以前の勤先の人と世間話をしたりしていた。 そんな時、港で1人の船頭と出会う事になる。 絵